高石あかり:「ばけばけ」で演じるトキ「武家の子なのでかっこいい」 来週の台本は「大笑いしながら読んだ」

NHK連続テレビ小説「ばけばけ」で松野トキを演じる高石あかりさん(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ばけばけ」で松野トキを演じる高石あかりさん(C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。主人公の松野トキを演じている高石さんがこれまでを振り返って、11月17日から始まる第8週の見どころや撮影秘話を語った。

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 ◇トキは「あまりにも自分自身」

 「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとその夫・八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻をモデルに、「怪談」を愛するヒロインが、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく姿を描く。脚本は、NHKの「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」やWOWOWの「撮休シリーズ」などを手がけたふじきみつ彦さんが担当する。

 高石さんは、演じるトキについて「あまりにも私自身。台本を読みながら『なんで私の思っていることを言うんだろう?』『このせりふ、本当に私!』と思うぐらいです」と感じているという。

 「制作統括の橋爪(國臣)さんとお話しして気付いたのですが、トキの自分と他人の線引きがはっきりしているところ、自分の感覚を押し付けたり介入したりしないところが私と似ているのかもしれません。『その人はその人でいい』と思っているから、おじじ様(小日向文世さん)や父上(岡部たかしさん)が武士にこだわっているのも認められるし、ヘブンさん(トミー・バストウさん)にもいつもと変わらず接することができるのだと思います」

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 さらに「小さい頃から家族を守るという感覚を持っているのもトキの特徴です。貧乏な家族のことを背負うのも使命感からだと思います。『優しくしたい』とかではなく、もう『そう生まれてきた』という感覚。やっぱり武家の子なのでかっこいいなと思います」と語る。

 ◇母役の池脇千鶴と「だんだん顔が似てきている気がします(笑)」

 仲のよい松野家のやりとりも見どころだ。高石さんは「松野家の皆さんは本当にすてきで優しくて、(母フミ役の)池脇(千鶴)さんとはだんだん顔が似てきている気がします(笑)。おじじ様と父上の情けないけれどもトキをしっかり愛しているところも憎めません。台本が面白い上に小日向さんと岡部さんが演じられるとより憎めないキャラクターになっていて、相当憎いことをされているのに憎めないんです(笑)」と楽しそうにコメント。

 「トキと錦織さん(吉沢亮さん)が初めて出会うシーンも忘れられないぐらいずっと笑っていました」といい、「アドリブ合戦になった時、私が仕掛けたお芝居を吉沢さんが全部受け止めてくださる安心感がすごかったです。受け止めるだけではなくやり返されて、笑ってしまうこともありましたけど(笑)。ただ、笑わせようと思っているわけではなくて、この台本は何かを仕掛けようとすると失敗する台本だと思います。だから、全員武器を削ぎ落とされてそれでも戦いに行く感覚。『何もしないふざけ』を手に入れようと頑張っています。『ばけばけ』を通して役者としても『ばけ』らけるように頑張ります!」と話す。

 また、相手役となる「ヘブン役のトミーさんは世の人々をメロメロにする方だと聞いていたのですが、お会いしてそれを実感しています。紳士的ですごく優しくてとにかく日本が大好きな方です。ヘブンさんと似ているところもあるのでお芝居で助けていただくことも多いでしょうし、これからもっと視聴者の皆さんもすてきなトミーさんの虜(とりこ)になると思います」と語る。

 ◇母フミの「おタエ様のためなら」発言は「衝撃でした」

 これまでの撮影を振り返って、「ここまで声を出して笑いながら読める台本にはなかなか出会えないと思うほど、ふじきみつ彦さんの本が最高に面白いです。演出にもこだわりがあって、例えば照明が本当に暗かったり、松野家が本当にせまかったりするんです(笑)! メイク直しのために全員家から出なくてはいけないくらい狭いし、ほこりもすごいし、服にも汚しをほどこしてリアルに作っているのでそのあたりにもご注目ください」といい、「良い作品になっていると実感しながら撮影できていること、そして皆さんに見てほしいと自信を持って言えることがすごくうれしいです。トキは上までは向かないかもしれないけれど、下を向かず、前を向いて生きていきます。その姿を見て、毎朝クスッと笑ってもらえたらうれしいなと思います」とコメント。

 第6、7週で、女中になると決心したトキについて、「おタエ様(北川景子さん)が物乞いとして頭を下げられた瞬間に、ずっとトキの中にあったおタエ様の人物像やいろいろなものが崩れたのを感じました。家の格など、守り継いできたものを 一個手放した瞬間を見てしまって、もう自分がすることは一つだと思ったのではないでしょうか。目の前にできること(女中)があったし、それをつかむことしかできなくて必死でつかんだのだろうと思います」と胸中を想像する。

 さらに、「第35回(11月14日放送)の母上の『産んでくれたおタエ様のためなら(ラシャメンになってもいいとトキが思った)』という発言は衝撃でした。トキにそういうつもりはなく、ただもう全員が家族だったんです。それは雨清水家も含めてだったからこそ、母上の本心を聞いた衝撃や、三之丞の『おトキの家族から外してほしい』という言葉で気持ちがすごくぐちゃぐちゃになったと思います。ぐちゃぐちゃになったからこそ、とにかくこのお金を三之丞に受け取ってもらわないと!と、それだけを思ってかなり強く言いました。必死でした。その後、母上がおじじ様に『ヘブン先生の女中を続けさせてください』と一緒にお願いしてくれた瞬間もいろんな感情があふれて、多分涙していたと思います。演じながら台本にはないものが常に生まれています」と実感を込めて語る。

 ◇ヘブンに教わりスキップに挑戦するシーン「お互いにツボってしまいました」

 11月17日から始まる第8週については「すごく楽しかったです!」と振り返る。

 「この週の台本は大笑いしながら読みました。ヘブンに頼まれて“ビア(ビール)”を探すというエピソードがあるのですが、“ビア”候補の品を紹介するときの言い方は、こちらに全部任せられていたので、「どうしよう……!」と思いつつもワクワクして、何ができるだろうとすごく楽しみに本番に挑ませていただきました。トキはせりふ通りでヘブンさんのリアクションはトミーさんのアドリブ的な演じ方でしたけど、せりふを言ってる感覚はほぼなくて、ただただ楽しかった……!」

 また、「みんなでヘブンに教わってスキップに挑戦するシーンは、スキップもどんなふうにやるかそれぞれに任せられていたので『あ、この人、こう来るんだ』みたいな感覚がお互いにあったと思います(笑)。最初にスキップを教わったシーンはトキもヘブンも酔っぱらっていたので、ここはもう何でもいいと思ってやっていたらお互いにツボってしまいました。それが完全に映像に映っていると思います(笑)。トキとしてヘブンとして笑っているのですが、きっと素に見えるはず。役として生きているけど、素の自分と曖昧になる瞬間がたくさん詰まった第8週でした」と語った。

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