ばけばけ:トキを“ランデブー”に誘う小谷のドキドキが止まらない? 第48回の視聴者の「注目度」も激しく乱高下

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第48回(12月3日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時4分の70.2%だった

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇見舞いの後も帰らない小谷 その本当の目的は?

 第48回は、体調を崩し自宅で療養するヘブン(トミー・バストウさん)の見舞いに、小谷(下川恭平さん)がやって来る。女中のトキ(高石さん)に思いを寄せる小谷の真の目的は見舞いではなく、トキを“ランデブーに誘うことだった。

 テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」はこの日、10ポイント前後の大きな幅で急激に上下した。まるで、トキの反応で一喜一憂する小谷の感情の揺れのようなグラフだ。

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 大きな“山”は2回。この日の最高値70.2%の午前8時4分と、69.5%の午前8時7分だ。オープニング時間帯の午前8時3分の60.4%から、70.2%まで一気に急上昇した午前8時4分は、見舞いに来た錦織(吉沢亮さん)が帰ろうとするが、小谷はトキがいる台所でくつろいでいる。「小谷、お前は帰らんのか?」。錦織の問いかけにも「私はもう少し」と言って、錦織を見送る。これから、どうトキに切り出そう? 小谷もドキドキが高まっていたのではないだろうか。それが伝わったのか、視聴者も注目して画面を見つめていたに違いない。

 次の午前8時5分台は、トキと小谷の会話のシーン。小谷は「(看病は)しんどいですよね?」などと世間話を続け、なかなか本題に入らないからか、注目度は一転、61.5%まで急落する。

 ◇「通りすがりのただの異人?」

 午前8時6分台は、トキが、かつて看病したが、結局亡くなってしまった傳(堤真一さん)の昔話を小谷にする。看病していると、その記憶を重ね合わせてしまうのだという。トキと小谷の会話が聞こえたのだろう。ヘブンがふすまの向こうから「ワタシ……シヌ?」と尋ねる。トキが慌てて否定するあたりまでが午前8時6分台。注目度は再び上昇を始め、次の午前8時7分で69.5%の2度目の“山”となった。

 午前8時7分台は、「シヌ?」のやりとりを受け、ヘブンがトキに言葉をかける。「たとえ死んでも、悲しまないでください。私はただの、通りすがりのただの異人です」。ヘブンは英語で口にし、小谷がその言葉を通訳してトキに伝えた。トキは動揺した様子で「通りすがりのただの異人?」とつぶやく。

 「通りすがりのただの異人?」は、優しいヘブンのトキに対する思いやりだったのだろう。ただトキからすれば、ほんの少しずつだったとしても互いに理解できている部分があると感じていたのに「通りすがり」と言われるのはショックだったかもしれない。第10週のタイトル「トオリ、スガリ。」の意味が分かるとともに、視聴者の心にも「通りすがり」がとげのように引っ掛かった場面だった。

 ◇「よし!」から「アバヨ!」へ

 午前8時8分以降は再び、注目度が急落。午前8時10分(67.6%)と午前8時11分(67.5%)で再び“山”を作ったが、やや小ぶりだった。

 午前8時10分台は、怪談の舞台に一緒に行きませんかという誘いをトキがOKしてくれたことに、小谷が「よし!」と大喜びするあたりから。念願の“ランデブー”の実現だ。だが、あまりにはしゃぎすぎて、ふすまを開け、怒ったヘブンが台所までやってくる。「コタニ、シャラップ」。玄関を指さすヘブンに「アバヨ!」と言われる始末だ。小谷にとっては天国と地獄を往復するような場面だ。

 午前8時11分台は、場面が変わって松野家。トキの幼なじみ、サワ(円井わんさん)が松野家一同に、小谷がトキに思いを寄せていることを伝える。黙っていられず、ついしゃべってしまったサワは、祖父の勘右衛門(小日向文世さん)や父親の司之介(岡部たかしさん)がトキの気持ちを確認しようと盛り上がると焦り始める。

 その様子を見た母のフミ(池脇千鶴さん)が「おサワちゃんって、意外にお口が軽いのねえ」と笑うあたりは午前8時12分台でさらに注目度は下がったが、比較的視聴者の視線をつかんだ場面だったようだ。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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