ばけばけ:ご立派になった銀二郎 驚きの近況のどこに視聴者は最も反応したのか? 第62回の注目度データ

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第62回(12月23日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値はトキ(高石さん)の夫、銀二郎(寛一郎さん)が突然、松野家を訪ねた午前8時3分の74.3%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇銀二郎を、勘右衛門が木刀で歓迎?

 第62回は、トキと会う約束の土曜の1日前、松江にやってきた銀二郎の様子が描かれた。銀二郎は会社を興し、月に200円は稼ぐようになったという。月収200円はヘブンの2倍、給金20円のトキの10倍の額。当時の1円の価値は、現在に換算すると3万円~4万円ほどだったと言われており、相当なお金持ちというわけだ。

 テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」は、久しぶりに最高値が70%台に。着るものも立場も大きく変わった銀二郎は驚くことばかりで、注目度が高くなったのも納得だ。視聴者が最もビビッドに反応したのはどの場面だったのだろう?

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 この日の最高値74.3%を記録した午前8時3分は、松野家の前をうろちょろしていた銀二郎がサワ(円井わんさん)に見つかり、松野家一同に挨拶することになった場面。直前の午前8時2分台は、突然出奔し、姿をくらませたことを銀二郎が謝罪。木刀を持って立ち上がった祖父の勘右衛門(小日向文世さん)が激怒するのかと思いきや、「もう忘れた。また稽古(けいこ)しよう」とやさしく声を掛ける。その後が午前8時3分台だ。

 「稽古はもう……」。銀二郎がそう言うや否や、「おのれ!」と木刀を振りかぶる勘右衛門。父の司之介(岡部たかしさん)や母のフミ(池脇千鶴さん)が必死に勘右衛門を押さえる。しばらくすると、「冗談じゃ」と勘右衛門は笑い始める。本当に冗談だった? ツッコミを入れたくなるような場面だったが、出奔した義理の息子を迎えた家族の複雑な思いが表現された一幕がこの日のピークだった。

 ◇「籍はまだ抜いちょらん」 視聴者もびっくり?

 その後、銀二郎は驚きの近況を明かすが、注目度はなぜか下がっていく。「おトキとやり直すために、お願いにまいりました」と松江に来た目的を明かした午前8時4分台は69.1%で、会社を興し、月に200円は稼いでいると近況を説明した午前8時5分台は64.8%と着実に下がっていく。

 もっと驚いたのは「もしや万が一、こげな話になった時のために、銀二郎、銀二郎。実はお主の籍はまだ抜いちょらん」と司之介が明かしたこと。戸籍上はまだトキの夫、松野家の入り婿だったというわけだ。すっかり浮かれ始めた司之介が漏らしたこの話は、銀二郎も思わず「えっ」と驚くほど。視聴者もびっくりだったのか、この午前8時6分台は66.4%と少し戻した。

 ◇中盤以降は三つの“山”

 中盤以降は3度、大きな“山”をつくるが、いずれもあと一歩70%台に届かない。午前8時8分(67.9%)は、怪談を語り終えたトキがヘブン(トミー・バストウさん)に、翌日は休むことを改めて伝える場面。互いに言いたいことがあるのに、ちゅうちょしている感じがたまらくなる。

 注目度68.5%の午前8時12分は帰宅中のトキが芸者のなみ(さとうほなみさん)にからまれる場面。久しぶりに会った銀二郎が「いい男になっちょった」と言い、「より戻すかね」「私がもらっちゃうかね」としつこいなみを、トキは振り切って家路を急ぐ。「うるさいなあ」とイライラするトキが印象的な場面だ。

 エンディング前の午前8時14分(68.7%)は、土曜の朝、松江にやってきたイライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックスさん)をヘブンが迎える場面。いよいよ、トキとヘブンにとって“運命の土曜日”が始まる。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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