ばけばけ:トキとヘブンの“キス”がようやく実現 視聴者の“クギヅケ度”を示す注目度もやはり最高に? 第75回

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 俳優の高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第75回(1月16日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時13分の69.1%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇ヘブン VS. トキ

 第75回は、ヘブン(トミー・バストウさん)が自分にウソをつき、西洋料理をふるまう山橋薬舗の山橋(柄本時生さん)のもとにコソコソ通っていたと知り、その場で問い詰める。15分間の放送時間のほとんどが、山橋薬舗でのヘブンとトキ(高石さん)の会話というやや異色の回だ。

 テレビの前の視聴者のうち、画面を注視していた人の割合を示す「注目度」は、オープニング終了後の午前8時3分以降で、前半と後半で2回、“山”をつくり、その間は“谷”となるグラフを描いた。2回の頂点は70%に届いていないため、極端に注目度が高いわけではなかったが、画面に引き付けられていた時間と、そうでない時間がはっきり分かれる結果となった。

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 ◇「オイシイ?」と聞かれ「いいえ」

 2回のピークのうち、最初は午前8時4分の67.0%。ヘブンを問い詰めようといきり立つトキに、山橋はテーブルに着くよう勧め、オードブルの「サバのマリネード(マリネ)」を提供した後の場面だ。ヘブンがナプキンの付け方、ナイフとフォークの使い方を説明。料理を見よう見まねで口にしたトキは、一瞬笑みを浮かべたようにも見えたが、ヘブンに「オイシイ?」と聞かれると、「いいえ」とだけ答える。ちょっと険悪な雰囲気が漂う。トキのヘブンに対する怒りはまったくおさまっていないことがうかがえる場面だった。

 その後、ヘブンは、松野家のやり方に合わせたり、日本人としてふるまったりするのに「チョット、ツカレタ」と本音を吐露。そんなヘブンに、トキは「ウソをつかれる方が嫌」と伝えるが、へブンが正直に話してくれたことで仲直りする。それが午前8時12分台までの山橋薬舗での2人のやりとりだ。この時間帯は、注目度が60%台前半で上下し、大きく浮上することはなかった。

 ◇最高値の午前8時13分はトキとヘブンの“あいさつのキス”

 後半の“山”はこの日の最高値69.1%を記録した午前8時13分で、山橋薬舗での“事件”の翌朝のシーンだ。中学校に出勤しようとするヘブンをトキが呼び止めると、自分の頬を指差し、西洋流のあいさつである頰へのキスをねだる。ヘブンが「リアリ?」と聞くと、恥ずかしそうに頷くトキ。ヘブンはトキの両頰に優しく顔を近づける。西洋人には一般的な、あいさつの“キス”がようやく実現したというわけだ。

 トキは「行ってらっしゃい。ヘブンさん」と、初めて「ヘブン先生」ではなく「ヘブンさん」と呼びかけ、笑顔で送り出す。ヘブンに対して、怒りの感情をぶつけたトキは、呼び方もここで変わる。2人の関係性が結婚を機に微妙に変化し始めたことがはっきりした1週間だった。

 続いて、帰宅したヘブンに、司之介(岡部たかしさん)やフミ(池脇千鶴さん)、トキが机を引っ越し祝いとして贈る場面へ。さっそく使ってみたヘブンが「ちょうどいい」と感激するあたりまでが午前8時13分台だ。

 ちなみにヘブンが引っ越した新居のセットは、松江市内に残る小泉八雲の旧居を参考にしていて、実はほとんどそのままだ。島根県知事の江藤安宗(佐野史郎さん)が引っ越し祝いに贈った“シャチホコ”も実在する。約90㎝の高さの鯱瓦を、小泉八雲旧居の南庭で今も見ることができるが、実際には知事から贈られたというわけではないようだ。

 そこまで正確にドラマに取り込んでいるのに、この特徴的な机だけが出てこないのは
不思議だったので、こういう展開だったのかと納得の場面だった。机は八雲の体格に合わせ、異常に高いのが特徴。左目を失明し、見える右目も極度の近視だったため、ヘブンは顔を紙に近づけ、文字を書いたと言われている。ドラマでも出てきた、あの高さには、日本滞在記を書く指先が目の高さに自然と近づくちょうどいい高さだったというわけだ。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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