俵万智:父は「私より私の短歌を覚えていた」 2年前に91歳で亡くなる 父の本を処分した母の気持ちを息子に教えられ 「徹子の部屋」で

1月20日放送の「徹子の部屋」に出演した俵万智さん=テレビ朝日提供
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1月20日放送の「徹子の部屋」に出演した俵万智さん=テレビ朝日提供

 歌人の俵万智さんが、1月20日放送の黒柳徹子さんの長寿トーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演。両親の思い出などを語った。

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 父は2024年に91歳で亡くなった。その日の朝、父親の意識はほとんどなかったが、午後の大事な仕事をキャンセルするか、このままそばにいようかと迷っていた。緩和ケアの先生に背中を押されて東京に仕事に行き、その仕事が終わって地下鉄の階段を上ったところで亡くなったと電話を受けた。「父はそれでいいよって思ってくれたんじゃないかな」と振り返る。

 父の死後、言葉があふれてきた。死を題材にするのはどうなのかという気持ちはあったが、緩和ケアの先生の「どちらをお父様は喜ぶと思いますか?」という言葉が浮かんだ。「私の歌があんなに好きだった父ですから、詠(よ)む方を選べよと言ってくれるんじゃないかなと思いまして、それで気持ちが吹っ切れて、父のことを見送る歌も詠むことができました」と語る。

 米寿になった母は近くに住み、病院に付き添うなど、日常を共にしている。「父は囲碁将棋がすごく好きな人だったんですけれども、母が父の本を整理して処分しちゃって、何でそんなことするの、縁起でもないと、私は本当に腹が立って、ちょっとけんかになっちゃったんです」と両親のエピソードを明かす。

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 怒った勢いで息子に電話したところ、「ばあばは何かじいじに関わることをしたかったんじゃないの?」「手を動かすのも気持ちが落ち着くし、そういうことなんじゃないのかな?」と言われ、はっとした。母に聞いたら「確かにそうだったかもしれない」と言われた。できた息子だと褒めたところ、「俺は距離があるから客観的に見られるので、一番偉いのはそばにいるオカンだよ」とも言ってくれた。「ちょっと親ばか炸裂ですけれど、なかなかの息子じゃありません?」と胸を張る。

 父は物理学者で、磁石の研究をしていた。世界で一番強い磁石を作ったという。小学校の時に理科の授業で「家にある磁石持ってきて」と先生に言われ、父の磁石を借りて持って行ったら「何でもくっついちゃうみたいな感じで」すごいことになったと思い出を語った。

 父は勉強が好きな人だった。家が貧しくて大学に行くのも反対されたらしいが、下宿せずに通える大学に行かせてもらい、その後は奨学金とアルバイトで大学院にも行き、サラリーマンをしながら博士論文を書いたという。

 俵さんが小学生のころに宿題をしていると「今の子供はいいな。思いっきり勉強ができて」と言われた。そのおかげか、勉強が好きな子供になった。のちに歌人になった娘を「父はすごく喜んでくれていました。私より私の短歌を覚えているくらいで、折に触れて、すっと口ずさんでくれたりしていました」と語った。

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