俳優の坂口健太郎さんが、映画「私はあなたを知らない、」(中野量太監督)で主演を務めることが2月2日、明らかになった。公開は今年の晩夏となる。中野監督は「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016年)以来、10年ぶりに完全オリジナル脚本を手がけた。監督と初タッグとなる坂口さんは髪を短くカットし、イメージをガラリと変えた姿で孤独な青年期から40代までを熱演する。
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坂口さん演じる西山夕平は、粛々と働き、自分の中で決めたルーティンだけで生活をし、一人の環境を寂しいとも感じずに天涯孤独に生きてきた。だが、職場に新しくやってきたパート職員でシングルマザーの紗月と出会い、生きる喜びを得て夕平の毎日は輝いていく。ある日、紗月から自分の5歳の娘を紹介される。紗月とその娘との生活が家族を渇望していた夕平の心を解放していくが……。
併せて解禁されたティザービジュアルは、「天涯孤独になった私に、13年前、半年間だけ、父親みたいな人がいた。私を、本当の娘のように、狂おしいほど愛してくれていたという。私は会いに行く。母を殺めて服役中のその人に――」というリードに加え、坂口さん演じる西山夕平が、万国旗がはためく芝生にカラーコーンが散らばっている保育園らしき場所にたたずみ、何かを訴えかけているような表情が印象的なカットが使用されている
今作は、フランスのPyramide Productionsとの共同製作となり、既にフランスでの配給も決定している。ワールドセールスはGoodfellasが手がける。日本ではクロックワークスが配給する。
坂口さんと中野監督のコメントは以下の通り。
最初に台本を読んだ時は、複雑ですごく難しいなと思いましたが、それと同時にとてもいとおしいストーリーだと思いました。夕平がした選択は肯定できるものではないけれど、そこに至るまでの彼の心の動きや気持ちは理解できる気がしたし、すごく人間らしい。だけど、彼の中の方向がちょっとだけずれてしまう瞬間が点在していて、どこかで掛け違いが起きてしまったんだろうなと。愛に救われた男だと思うけど、最後は愛にとらわれてしまった瞬間があったんだろうなと、それを丁寧に描いた作品だと感じました。
中野監督の演出は楽しかったです。一緒に夕平を作り上げていきましたし、今のどうかな?と思ったときはすぐに相談していました。監督が夢中で撮影していた姿を見ていたので、すごくステキなものが撮れていると思います。完成を心待ちにしています。監督へのハードルを上げているということではないですが(笑)。
愛情は国とか言語、人種を超えるものだと思います。夕平が犯してしまった罪はあるけれど、そこに至るまでの感情は、多くの人たちに理解してもらえるだろうし、さまざまな国の人々に響く作品だと思っています。彼の選択と彼が生きてきた軌跡を見てくれたらこの映画は成功なんじゃないかなと。
映画作りに正解はなくて、時代とか普遍とか、いろいろなことを考えながら、書いては直し、考えては迷い、 いつも作っています。 でも、映画を見た人に心から楽しんでもらいたい、その思いだけはかたくなに変わりません。僕にとって、10年ぶりの完全オリジナル作品である今作のテーマは、人を愛すること、そして、人を赦(ゆる)すこと、だと考えています。
自分の映画で、初めて、人を殺めるシーンを書きました。殺人を肯定するつもりは一切ありませんが、そこに至るまでの人の複雑な感情、そうせざるを得なかった人間らしさ、を描きたいと思いました。世界中で紛争が絶えず憎しみの連鎖がやまないこの時代に、人を赦すこと、を描かなければと思いました。この映画を一言で説明するのは難しかったのですが、脚本を読んだ友人が言ってくれた言葉がズバリで、「今まで見たことがない愛情深いユーモアあるサスペンス」まさに、そういう映画を僕は撮りたかったのです。
主演である孤独な青年役は、柔らかさと強さ、屈託のない笑顔と憂い、相反するものを持ち合わせている稀有(けう)な俳優だと感じていた、坂口健太郎さんにお願いしました。
現場では、オリジナル作品の無限の自由さを楽しみつつ、坂口さんとは常にお互いの意見を交わし合いながら、主人公のキャラクターを作り上げていきました。その分、今までの現場の中で、最も多くのテイクを重ねたと思います。クランクアップの日まで、坂口さんと作り上げた主人公と一緒に、笑って泣いて苦しんで、毎日、興奮しながら撮っている自分がいました。
現在、完成に向けて、最後の段階に入っています。一つ言えることは、今までに見たことがない俳優・坂口健太郎が、この映画の中にいます。
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