豊臣兄弟!:義昭と信長の主導権争いと“二人の距離感” 「そなただけが頼りじゃ」に「うそはなかった」尾上右近の見解

大河ドラマ「豊臣兄弟!」で足利義昭を演じる尾上右近さん (C)NHK
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大河ドラマ「豊臣兄弟!」で足利義昭を演じる尾上右近さん (C)NHK

 仲野太賀さん主演のNHK大河ドラマ豊臣兄弟!」(総合、日曜午後8時ほか)で足利義昭を演じる尾上右近さん。義昭は、数奇な運命に翻弄された室町幕府最後の将軍だ。足利将軍家の再興を目指し、明智光秀(要潤さん)を通じて信長(小栗旬さん)に接近、上洛(じょうらく)を持ちかける一方、その信長に脅威を感じ、将軍として上に立とうと主導権争いを繰り広げている。第13回「疑惑の花嫁」(4月5日放送)で義昭が信長に伝えた「そなただけが頼りじゃ」という言葉に「うそはなかったと思っています」という右近さんが、“二人の距離感”などについて語った。

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 ◇義昭は「状況に応じて相手が求める姿を演じることができる」

 「豊臣兄弟!」は、65作目の大河ドラマ。豊臣秀長(小一郎)を主人公に、兄・秀吉(藤吉郎)とともに強い絆で天下統一という偉業を成し遂げる豊臣兄弟の奇跡を描く、夢と希望の下剋上サクセスストーリー。

 脚本は、「半沢直樹」(TBS系)や連続テレビ小説(朝ドラ)「おちょやん」などで知られる八津弘幸さん。また音楽を木村秀彬さんが手がけ、語りを俳優の安藤サクラさんが担当する。

 ドラマには 第10回「信長上洛」(3月15日放送)から登場している義昭。右近さんは「人の心を読むことに長け、状況に応じて相手が求める姿を演じることができる人物です」と話す。

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 「政治的な頭脳だけでなく、人間の感情に対する理解も非常に深く、政治家としての才能もあると感じています。一方で、明智光秀の前では素の部分を見せるところがあり、その人間味も魅力的ですね。本音と建前が交錯する世界で生きる人ほど義昭に共感していただけるのではないかと思います。将軍という特殊な立場にある人物ではありますが、できるだけ身近に感じてもらえるよう意識しながら演じています」

 ◇「信長にはどうしても届かない部分がある」恐怖や不安は怒りへ

 三好三人衆が義昭の滞在する本圀寺を襲撃した第11回「本圀寺の変」(3月22日放送)では、絶体絶命の状況に追い込まれ、覚悟を固めた義昭に対して、小一郎(仲野さん)の「ぶざまでも生き延びてくだされ!」との言葉に「義昭と同じように僕自身も心を大きく 揺さぶられました」と明かす右近さん。

 「脚本を読んだ段階では想像もしていなかった芝居の展開でしたし、自分があそこまで感情を動かされるとは思いませんでした。(仲野)太賀さんのお芝居に突き動かされるように、自然と涙があふれてきたので、その感情を思い切ってさらけ出しました。結果として、とても美しいシーンになったのではないかと感じています。豊臣兄弟は、意外なところで笑わせてくれたり、ふとした瞬間に励ましてくれたりと、人間の 『隙(すき)』をくすぐるのが本当にうまい兄弟だと思います」

 回を重ね、もはや探り合いを通り越して、対立関係にあるようにも見える義昭と信長との距離感については「私としては第13回『疑惑の花嫁』で信長に伝えた『そなただけが頼りじゃ』という言葉に、うそはなかったと思っています。ただその一方で、信長という人物の計り知れなさも、義昭はひしひしと感じています」とも語る。

 「その思いが最も象徴的に表れているのが、同じく第13回で信長から、五ヶ条の条書を突きつけられた場面です。臣下の前では『自分のことを思ってこその忠言だ』と受け止めますが、内心では相当悔しかったでしょうし、政治の世界における自分の未熟さも思い知らされた瞬間だったと思います。信長にはどうしても届かない部分があるのではないか、という恐怖や不安も感じていたはず。その思いが怒りへと転じ、藤戸石を斬りつけるという行動として爆発する。あのシーンは、『豊臣兄弟!』における足利義昭を象徴する場面だと考えています」

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