心理ゲーム「人狼ゲーム」がモチーフにした映画「人狼ゲーム クレイジーフォックス」(綾部真弥監督)が5日に公開される。映画は、桜庭ななみさんが主演した「人狼ゲーム」(2013年)、土屋太鳳さんが主演した映画「人狼ゲーム ビーストサイド」(14年)に続くシリーズ第3弾で、最新作では新カード「狐」側の視点で物語が展開する。実写映画では初主演となる女優の高月彩良さんが、ゲーム終了時に生存さえしていれば勝利できる狐のカードを引き当てた主人公・森井あやかを演じ、元AKB48研究生の冨手麻妙さんや、「第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で審査員特別賞を受賞した柾木玲弥さんらフレッシュなキャストが顔をそろえた。
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役割を割り振られたプレーヤー同士が、互いに生死を懸けて正体を探り合う“人狼ゲーム”に参加することになった森井あやか(高月さん)。あやかが引いたカード“狐”の勝利条件は「ゲーム終了時に生存していること」で、村人側が人狼を全滅させるか、人狼と村人側が同数になった時点で狐が生き残っていれば狐だけが勝利となる。ゲームには全部で12人が集められ、狐のほかに人狼3人、予言者1人、霊媒師1人、用心棒1人と能力を持った役割が割り振られ、残り5人は何も能力を持たない村人に。生き残りを懸けたゲームに挑むあやかだったが、そこで出会った多喜川陽介(柾木さん)に一目ぼれし……というストーリー。
毎回センセーショナルな展開で楽しませてくれる「人狼ゲーム」シリーズの第3弾は、狐のカードを引いたヒロイン側の視点という新たな試みに挑戦している。人狼に襲撃されても死なず、とにかく生き残りさえすれば勝てる狐側の視点は、見ていてハラハラすることは少ないのかと思いきや、予言者の占い対象になると狐は死亡してしまうという条件があるほか、登場人物それぞれがうそをつくなど練りに練られたプロットに引き込まれる。愛情や友情、同情といったあらゆる感情がぶつかり合う様子はスリリングで、誰が人狼で誰が村人なのかを推測しながら見るサスペンス的な雰囲気も楽しめる。頭脳戦と心理戦が行き着く先には衝撃の展開が待ち受け、エンドロールで答え合わせをするまで緊迫感が持続。人間の本性と巧みな仕掛けに酔いしれたい。また、前2作に主演した2人がその後に活躍していることもあり、高月さんの今後に注目が集まる。新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほか全国で順次公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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