阿部寛:天海祐希の体重を腹筋で支える「頼りがいのある人」 「ミタ」脚本家の監督デビュー作で

遊川和彦さんの映画監督デビュー作「恋妻家宮本」で阿部寛さん(左)演じる陽平にのしかかる妻・美代子役の天海祐希さん (C)2017「恋妻家宮本」製作委員会
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遊川和彦さんの映画監督デビュー作「恋妻家宮本」で阿部寛さん(左)演じる陽平にのしかかる妻・美代子役の天海祐希さん (C)2017「恋妻家宮本」製作委員会

 大ヒットドラマ「家政婦のミタ」(日本テレビ系)などで知られる脚本家の遊川和彦さんが初監督する2017年公開の映画「恋妻家宮本」の撮影現場と場面写真の一部が24日、公開された。「恋妻家宮本」は俳優の阿部寛さんと女優の天海祐希さんが出演し、重松清さんが原作という豪華布陣で、熟年離婚の危機に面した夫婦の姿を描く。公開された場面写真では、阿部さん演じる陽平に天海さん演じる美代子が酔っぱらってのしかかっており、天海さんは「リハのときから全力で乗っていっても阿部さんがいい感じに腹筋で止めているんですよ(笑い)。遠慮せずいっても腹筋で私の体重を支えてくださるので、頼りがいがあって全力でどーんと行けました。安心感がやっぱり違うんですよね(笑い)」と語っている。

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 「恋妻家宮本」は、重松さんの「ファミレス」(日本経済新聞出版社)が原作。夫婦や親子、友人など、人と人とのつながりを心温まるエピソードでつづった作品を、遊川さんが脚本で大胆にアレンジし、子供が巣立った現代の夫婦、家族のあり方をユニークな視点で映像化する。

 息子が結婚して独立し、25年ぶりに夫婦2人きりで生活することになった主人公・中学教師の宮本陽平(阿部さん)は、妻・美代子(天海さん)が隠し持つ離婚届を偶然発見。熟年離婚の危機に面した陽平は、悩み、葛藤しながらも、教え子や料理教室の仲間と関わる中で家族のあり方を再認識し、妻と新たな一歩を踏み出していく……というストーリー。

 撮影は、今年1月17日にスタート。原作タイトルでもある「ファミレス」を再現した千葉県のロケセットで撮影が行われた。この日は阿部さんと天海さんが演じる宮本夫妻がファミレスに訪れるという冒頭のシーンを撮影。ファミレスの多様なメニューに迷う優柔不断な夫・陽平(阿部さん)、それを無表情で見つめる妻・美代子(天海さん)という過去の遊川作品を彷彿(ほうふつ)とさせる謎めいた雰囲気を醸し出しながら、これから始まる宮本夫妻の物語を大いに期待させるシーンとなった。

 初監督とは思えない遊川流演出で、阿部さんいわく「これほど細かいところまで役者の演出をしっかりしてくれる監督は今では数少ない」と言わしめるほど。阿部さんは「遊川監督は脚本を書いていらっしゃることもあり、誰よりもその役とせりふを分かっている方なので、僕が演じたらやり過ぎちゃうところも、監督の解釈で的確に演出をしてくださるので、この現場で迷うことは何もない」と監督の演出に身を委ねているようだ。

 15年放送の連続ドラマ「偽装の夫婦」(日本テレビ系)などこれまでも遊川さん脚本のドラマに複数出演してきた天海さんは、遊川監督とは初タッグの阿部さんとの撮影を「阿部さんと遊川さんを見ていると、すごく理想的な関係だなと思います。阿部さんは器が大きくて、純粋かつ素直に監督の指示を聞いて、自分なりに消化してお芝居に生かされる方ですし、遊川監督はこうやってほしいっていうのを脚本家ならではの言葉で的確に伝えるので。遊川さん、監督向いてるかもなあ~なんて思ったりして」と話している。

 遊川監督はファミレスシーンについて「ファミレスって人生と一緒ですよね。メニューから選んでも選び切れなくて、選んでも結局自信がないというか。でも前に進まなきゃいけないというのもあって。なのでこの作品は『ファミレス』のシーンで始めなきゃという思いがありました」と撮影への思いを語った。

 また夫婦役の2人については「5~6年前だったら、この2人の夫婦役なんてリアリティーがないんじゃないかと思いましたけれども、2人とも年齢を重ねて、そういう2人が夫婦として、一生懸命頑張って、でも少し疲れたりして、順風満帆ではなくいろいろな苦労をしてきて、これからどうなるんだろうという不安なんかも隠しもせずやっていこうという姿にリアリティーが出てきて『あ、この夫婦なら共感できる』と思えるようになりました」と語っている。そして「ここに描かれているのは理想の夫婦ではないのですが、リアリティーがあって、何が正しいかを決めるのではなく、優しいことをすれば、正しくなくても伝わるんじゃないか、毎日いろいろありますけども。と頑張っている夫婦の話です」と作品をアピールした。映画「恋妻家宮本」は2017年公開予定。

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