ピン芸人日本一を決める「R-1ぐらんぷり2017」で15代目王者に輝いたアキラ100％さん。決勝戦では、お盆で股間のみを隠してさまざまなことに挑戦するというネタを披露し、見ている側をハラハラさせながら笑いを生み出し見事に優勝を獲得した。優勝の興奮冷めやらぬアキラ100％さんに、“裸芸”へのこだわりやこれまでの仕事状況などについて聞いた。

あなたにオススメ

“あの頃”のジャンプ：実写ドラマ化も話題「ウイングマン」　1983年を振り返る

　◇裸芸での挑戦は「最高で最後のタイミング」

　「取材を受ける中で、本当に優勝したんだなと、（実感が）じわじわと。今まで取材を受けることもなかったので」。優勝の栄冠をつかんでから、約2時間後。アキラ100％さんはかみしめるように優勝の喜びを口にする。

　「R-1ぐらんぷり」には08年の第6回から9年連続で出場。長らく2回戦止まりだったが、昨年は準決勝に進出。調子も上向いており、今年こそは、の思いがあった。「チャンスが多いネタではないんだろうな、とは思っていました。インパクト系なので、（徐々に）インパクトも薄れちゃうし。そういう意味では、今年はもしかしたら、裸のネタでチャレンジする最高のタイミングであり最後のタイミングだったかなと思います」と振り返る。

　ファイナリストには、ブルゾンちえみさんやサンシャイン池崎さんなど、人気急上昇中のライバルたちがいた。アキラ100％さん自身も、「今の勢いから言えば、サンシャイン池崎君も復活ステージから上がってきましたけど、若い人に人気というとやっぱりブルゾンちえみなんじゃないかと思う」と認めていた。そのブルゾンちえみさんは、決勝でネタが飛んだこともあり、番組中には涙を見せる場面も。「自分にプレッシャーもあったと思うし、かみあえば優勝できるチャンスもあったと思っていたと思う。そういう熱い気持ちがあふれるというのは、いいなと思いました」とアキラ100％さんは語る。

　◇夢は「バイトをやめる」こと　裸へのこだわりも……

　現在はスポーツクラブでのアルバイトが収入のメーンというアキラ100％さん。優勝で環境がガラッと変わるのでは？と聞くと、「変わってくれたらうれしい」と笑顔をみせる。「夢はなんですか、と聞かれたら、『バイトをやめる』っていう……。ほとんどの芸人さんが思っている、第一段階の夢だと思うんですよ。そこにいくまでが大変なので……。小さい夢だなと思われるかもしれないけど、テレビに出ている若手の芸人でもなかなか難しいことなので」と語り、「ひとつの目標として頑張りたいなと思います」と気を引き締める。

　優勝直後の会見では、服を着てネタをすることへの欲求を聞かれ、「正直、着たくないんですよ。できればいけるところまで裸でいきたいなというのがあります」と“裸芸”への強いこだわりを赤裸々に語った。アキラ100％さんは「他の芸人さんからは、ずっと裸でやるのか、とか、服を着るタイミングが難しくなるな、とか言われていました」と明かし、「芸人はいろんな方が（自分なりの）コスチュームを持っている。ぼくの場合は、これ（裸）が衣装代わり。できることなら、これでどこでもいきたい」ときっぱり。「さすがにリポーターとかは難しいと思うので、そのときはお盆をどうにかくくって、西洋の甲冑みたいにして、ガシャガシャしながらいけたら（笑い）」と冗談めかして語る。

　「裸がコスチューム」と言い切るだけあって、お盆を駆使した“裸芸”の種類は豊富だ。「いろんな組み合わせだったりするんですよ。おなかで挟んでみたり、横を向いて、前だけは見えないけど横からは丸見えとか。アクロバティックなのとか。ジャグリング的要素を入れたりとか」とレパートリーを説明し、「（お盆を）おなかに挟む技は“サンドウイッチ”と呼んでます」とユーモアたっぷりに語る。コツは、「自分からお盆に入っていくイメージを持つこと」とアキラ100％さん。「“かつらむき”みたいなものですね」と笑う。

　会見で、愛用のお盆は100円ショップのものだと明かした。改めて賞金の使いみちを聞いてみると、「今使っているお気に入りのお盆を見つけたときには、“大人買い”したいと思います」とにやり。最後に今後の意気込みを聞くと、「R-1チャンピオンになれたので、その名に恥じぬよう、芸能界をお盆1枚で渡っていければと思っています」と力強く語ってくれた。

　＜プロフィル＞

　1974年8月15日生まれ、埼玉県出身。ソニー・ミュージックアーティスツ（SMA）所属で芸歴13年目。R-1ぐらんぷりには2008年の第6回から16年の第14回まで9年連続で出場。「R-1ぐらんぷり2017」で15代目王者に輝く。趣味はスノーボードと映画鑑賞、将棋、写真。