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解説:「ばけばけ」では司之介が活躍中の朝ドラヒロイン“父” いまも“史上最低”の名をほしいままにしている男とは?

NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説「おちょやん」Part1(NHK出版)

 9月29日にスタートした高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。「怪談」を愛するヒロインが、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく、夫婦の物語で、第2週までが放送されたが、要所で話題をさらっているのが、トキ(高石さん)の父・司之介(岡部たかしさん)だ。明治を生きる“没落武士”で、商いを始めたものの、失敗して、一家に借金を背負わしたり、娘のお見合いを成功させようと、まげを落として落ち武者姿になったりと、ダメなところもあるけど憎めない、朝ドラヒロインの“父”として目立った活躍を見せている。

 朝ドラヒロインの父といえば、司之介のような「ダメなところもあるけど憎めない」か、前作「あんぱん」の結太郎(加瀬亮さん)のように「人格者だけど早逝」がある種のパターン。そういった中で、いまも、朝ドラ史上“最低の父”の名をほしいままにしているのが、2020年度後期の「おちょやん」に登場したテルヲだ。「ウルフルズ」のトータス松本さんが熱演した。

 「おちょやん」は、上方女優の代名詞といえる存在で、「大阪のお母さん」として親しまれてきた女優・浪花千栄子さんの人生をモデルにしながらも、物語を大胆に再構築し、フィクションとして描いた、103作目の朝ドラ。新型コロナウイルスの拡大感染の影響で一時撮影休止もあり、放送期間は2020年11月30日から2021年5月14日と変則に。主演を務めたのは杉咲花さんで、その杉咲さん扮(ふん)するヒロイン・千代の父がテルヲだった。

 養鶏で生計を立ててはいるが、鶏の世話や家事も娘の千代にまかせっきりのテルヲ。そのうち、まだ幼かった千代を芝居茶屋に奉公に出すと、以降もたびたび金をせびりに姿を現し、ときには金を持ち出すことも。そんな“ダメおやじ”の枠を大きくはみ出し、改心しない“クズっぷり”は、視聴者から「朝ドラ史上最低の父」と評されるほど。“最低の父”として描かれ続けたテルヲは、最期は抱えていた病気が悪化し、この世を去り、第75回をもって物語からは途中退場。テルヲが生前、千代と最後に交わした会話の中で、千代が出演する舞台を見ることを約束していたものの、かなえられずに亡くなったこともあり、視聴者からは「テルヲ、芝居見れないか〜」「今日は最後にテルヲに全部持ってかれたなぁー」「テルヲは本当に憎らしかったけど、こんなん見せられたら帳消しだよ」と残念がる声も上がるなど、良くも悪くも圧倒的な存在感を示したことは間違いない。

 そんなテルヲの“最低キャラ”を多少は憂慮したのか、本放送当時、ドラマの公式サイトでは、トータス松本さんが、テルヲに変わって言い分を語る企画「テルヲのいいわけ」が展開。一方で、本作の脚本を手掛けた八津弘幸さんは当時、テルヲについて「毒親として描ききろうと思っていた」と話していて、さらにトータス松本さんの芝居については「一言でいうと最高でした」とのコメントを残している。

 今後、テルヲを超える“クズおやじ”が朝ドラに現れる日は来るのだろうか……。

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