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9ボーダー:きょう最終回 川口春奈「年齢なんてどうだっていいと教えてもらった」 新井Pと撮影振り返る

連続ドラマ「9ボーダー」最終回の一場面(C)TBS

 俳優の川口春奈さんが主演を務める連続ドラマ「9ボーダー」(金曜午後10時)が6月21日、ついに最終回を迎える。第9話では、家族のいる神戸へ帰ったコウタロウこと芝田悠斗(松下洸平さん)が、七苗(川口さん)に電話し、「俺はこっちの生活に戻ろうと思う。芝田悠斗に」と決意を語り、電話を終えた後、七苗は「どうしよう……大好きだった」と言って大粒の涙をこぼした。最終回の放送を前に、川口さんと新井順子プロデューサーが撮影を振り返った。

 ◇新井Pは「熱さがにじみ出ている」人(川口)

 --今までの印象的なシーンや、撮影に際して苦労したところがあれば教えてください。

 川口春奈さん:私は銭湯での入浴シーンと、3姉妹そろってのシーンですね。何か食べたり、けんかしたり。あとはやっぱり1話の桜の場面です。実際に撮影で行ったときはすごくきれいで、個人的に大好きなシーンです。

 新井順子さん:いろいろありますが、2話で七苗が同僚の千尋(奥村佳恵さん)に本音を伝える電話のシーンですかね。ドライ(撮影のリハーサル)を見ながら1人で泣いていました(笑い)。そして私も1話の桜のシーンはとても印象に残っています。天候などの影響で3回ぐらい撮影を飛ばしてようやく撮れた映像なので、感慨深いです。

 --前作「着飾る恋には理由があって」に続いて再びのタッグですが、「お互いここがパワーアップした」などありますか?

 川口さん:特にここが変わったということはないのですが、前作から3年の時を経て、お互いいろいろなジャンルの作品を経験してきた中で、やっぱり新井さんは愛情がすごいんですよね。どっぷりと没入する方なので、その熱さがにじみ出ているんです。こういう方ってなかなかいないよなと再確認しました。

 新井さん:没入ね(笑い)。前回の「着飾る~」のときは、川口さんとは最初に人見知りがゆえの距離感から始まり、最後はすごい仲良くなって。今作ではどうなるかなと思っていたのですが、今回はキャストの方々ともすぐに仲良くなっていました。

 スタッフとも、「着飾る~」のときと同じスタッフが多くいたというのもあるかと思いますが、すぐに仲良くなっていて。ちょっと大人になったのかなと思いました(笑い)。お芝居の瞬発力は相変わらずすごくて、そこは変わらないですけどね。

 ◇3姉妹、男性陣も仲良く「誰も控室に戻らなかった」(川口)

 --「9ボーダー」だからこそと胸を張れる、すてきなポイントや作品としての強みがあれば教えてください。

 新井さん:やっぱり3人の姉妹感じゃないでしょうか。前室(撮影の待機場所)って結構広いんですが、いつもぎゅーっとくっついていて。本当にリビングにいる3人みたいな空気感です。

 川口さん:気を使わなくてよくて、本当に家族っぽいですね。何も話さないときもあるけど、それはそれで苦にならなくて。本当に家族みたいな感じです。

 新井さん:初めは「仲良くなりたい!」と頑張っていたところもあると思いますが、すぐに打ち解けて、そのあとは誰かが無理して仲良くしようということもなく自然体でいられて。あっという間に4カ月が過ぎていたので、これは本物だなと。誰か1人でも前室から出て、控室に戻っていればきっとこういう空気感ではなかったのかもしれないですけど。

 川口さん:誰も控室に戻らなかったですね。

 新井さん:男性陣とも仲良かったよね。松下洸平さんはみんなより年上なんですけど、松下さんいじりをしたりとか(笑い)。本当に近所の幼ななじみみたいな距離感だったよね。

 川口さん:その雰囲気には本当に救われましたね。そういったチーム感が一番の強みじゃないでしょうか。

 ◇この作品を見て「自分を好きになってほしい」(新井)

 --今作での撮影を経て、お互いに変化したところはありますか?

 川口さん:私は七苗とは立場は違うけど、実年齢が同じということもあって、いろいろなことを学べたと思います。29歳の頑張る女性へのメッセージといいますか、脚本の金子ありささんのせりふもグサグサ刺さって。自分がやりたいことに向かって頑張るというのがいいんだな、それが正解なんだなということを学びました。そして家族っていいなと改めて思いました。

 新井さん:誰かが言っていましたが、年齢はただの数字であって、いくつになっても挑戦できるし、なんだってできる。「もう」とか、「でも」とか言わないで。劇中のせりふでも「もう29歳じゃなくて、まだ29歳」というのがありますが、そういうマインドでいた方が人生は楽しめるということを学びました。

 --「9ボーダー」はこの先、お二人にとってどのような作品になるでしょうか?

 川口さん:年齢なんてどうだっていいし、自分がやりたいことをするのが正解なんだよというのを教えてもらった作品なので、自分をすごく肯定できた気がします。自分は1人じゃなくて、周りにはいろいろな人がいて、助けてくれる。未来の自分の背中を押してくれる作品になるのではないかと思います。

 新井さん: 脚本作りの際に、割と自分を投影しているときもあります。あのとき自分はこう考えていたんだなと、のちのち思うのかもしれません。自分のロールモデル(笑い)。

 また、今作では仕事についていろいろな人から話を聞きました。「こんなことが許せない」とか「こんなことをしたい」とか、周りや世間の声を反映しているので、5年後とかに振り返ったときに「昔ってこういうことあったよな」と思い返すのではないでしょうか。

 --最終回に向けて視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

 川口さん:9話でだいぶ悲しい終わり方をしてしまい、コウタロウの過去とか、1時間で回収できるのかというくらい盛りだくさんの内容です。3姉妹の行く末も、明るくポジティブな未来になっていてほしいなと思いますし……。みんな頑張っているから、全員幸せになってほしい。どのような結末になるか、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

 新井さん:この作品を見て、自分を好きになってほしいなと思います。自分は自分でしかなく、何歳になっても、今の自分がいいなと思えるように。人の人生を羨むのではなく。結末については非常に頭を悩ませました。本当にいろいろなパターンが想定できて。いろいろなラストの形があったのですが、キャストやスタッフみんなの思いが詰まった結末になっていると思いますので、ぜひ期待してください。

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