オズワルド伊藤俊介:「9ボーダー」銭湯のアルバイト“ウメケン”役で出演 “役者”として覚悟を決めた瞬間とは?

連続ドラマ「9ボーダー」に出演するお笑いコンビ「オズワルド」の伊藤俊介さん(C)TBS
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連続ドラマ「9ボーダー」に出演するお笑いコンビ「オズワルド」の伊藤俊介さん(C)TBS

 お笑いコンビ「オズワルド」の伊藤俊介さんが、川口春奈さんが主演を務める連続ドラマ「9ボーダー」(TBS系、金曜午後10時)で、おおば湯のアルバイト、“ウメケン”こと梅津剣を演じている。朝ドラヒロイン、伊藤沙莉さんを妹に持つ俊介さんが、普段のお笑いとは異なる場で、“役者”として感じた思いを語った。

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 --梅津剣こと“ウメケン”を演じてみて、いかがでしょうか?

 皆さんと演じることがとても楽しいです。僕をメーンで見る人はいないと思うのですが、「弁当の中にこのおかずが入っていてラッキー!」と思われるぐらいの存在にはなりたいです。

 --実際に撮影現場に入っての印象を教えてください。

 川口さんをはじめ、とても親しみのある方ばかりという印象です。ドラマの現場はピリピリしていると聞いたこともあるので最初は緊張していました。でも、皆さんとんでもなく和気あいあいとしていたので気が楽になりました。

 --演じるにあたって意識していることはありますか?

 覚悟を決めたシーンはありました。それが、(川口さん演じる)七苗さんに手伝ってもらって風呂場を洗うシーン。監督からは「早送りで見せるので、せりふはアドリブの掛け合いでお願いします」と言われて。七苗さんが風呂桶(おけ)を洗って、僕が水で流していきました。

 川口さんってむちゃくちゃ美人じゃないですか。だから最初、目を合わせられなかったんです。でも、僕が「もっと早く洗ってくださいよ!」と言ったら、七苗さんが「もう疲れた。背中かいて」と。勝手な想像ですけど、「お前こっち側にこられるのか?」と言われたように感じ、「これはやらないと終わりだ!」と思って、ボリボリと背中をかいてあげたんです。

 そこからウメケンを演じる覚悟が決まったというか……役者として、一皮むかせていただいたように感じました。

 --撮影現場では、品川九吾役の齋藤潤さんが、伊藤さんをご覧になって笑いが止まらないエピソードがあったと聞きましたが……。

 あはははは、そうですね。僕は監督から言われるがまま演じただけですが、齋藤くんがひたすら笑ってくれるので、芸人の性(さが)が出てしまいました。笑ってくれると完全にスイッチが入ってしまい、どんどん誇張して撮影が長引いても笑わせたいという思いが強くなってしまったんです(笑い)。

 --お芝居では結構、アドリブも入れているのですか?

 監督から「伊藤さん、せりふも変えちゃって大丈夫です。アドリブもバンバン入れてください」と言われたので、これは「入れろ!」ってことかと思って。だから「ずっとここで働かせる気ですか? “釜爺”(スタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』の登場人物)じゃないんだから」というアドリブを入れようとしたことがありました。

 同じシーンにいた(畑)芽育ちゃんは若いので、撮影前に「“釜爺”って知ってる?」と聞いたら「知っています。ジブリのですよね?」とおっしゃったので「これはイケる!」と思って撮影に臨みました。実際に「“釜爺”じゃないんだから!」とアドリブを入れたら、監督からカットがかかって「“釜爺”はなしでお願いします」と言われてしまったんです……。

 もうめっちゃ恥ずかしくなって、二度とアドリブは入れない! と決意しました。以来、言い方は変えても決まったせりふがあるところでアドリブを入れることはありません。かなりトラウマになってしまいました(笑い)。

 --せりふはどのようにして覚えていますか?

 もちろん、事前に台本は読んでいますが覚えてはいません。普段、芸人をしているときの延長線上で芝居もやらせていただいています。完璧にせりふを覚えるのは、段取りが始まってから。僕は掛け合いの中での方がせりふを覚えやすいので、いつもそうしています。

 --ウメケンさんのようなアルバイト経験がありましたら教えてください。

 30歳まではアルバイトをして暮らしていました。おもにキャバクラのアルバイトですけど。合間におすし屋さんで働いたこともありますが10年ぐらいアルバイトをしていました。

 ウメケンは「なんで銭湯でアルバイトをしているんだろう?」と思うことはあります。融通が利かないじゃないですか。シフト制で仕事をしているわけでもありませんし。僕は芸人の仕事があったので、融通の利くアルバイトをしていましたから、ついそう思ってしまいます。

 --ドラマの撮影現場で感じることは?

 恥ずかしさ……ですね。バラエティーは本業なので、何か爪痕を残せるようにしようと考えています。

 一方、ドラマの撮影では同じシーンを別の角度から何度も撮るので、同じせりふを何度も言うことに恥ずかしさを感じます。基本的に失うものは何もないと思ってドラマの現場に臨んでいるので、最初のシーン以外は緊張することはほとんどありません。できないのが当たり前と思って演じていますから。でも、周りの方に迷惑だけは掛けないようにしようと常に心がけています。

 --役者として演じるときとオズワルドで漫才をするときは、やはり違うのでしょうか?

 そうですね。漫才をするときは演じているわけではなく、素の自分でいます。これまで芸人として芝居をやってこなかったので、何かを演じるというのはとても新鮮に感じます。役者として演じることで、何か芸の世界でも生かせるものが見つかればな、と。

 でもお芝居の世界って、とても華やかな世界じゃないですか。共演者の方も美男美女ばかりですし。お芝居をすればするほど、どうして芸人になってしまったんだろう?と、ふと思うときもありますね(笑い)。

 --ちなみにウメケンさんの衣装は、いかがでしょうか?

 衣装合わせはTシャツを1枚渡され、簡単に終わりました。自分では絶対に着ることのない服なので、おしゃれさせてもらっているなと思います。

 --最後に視聴者にメッセージをお願いします。

 ホントに箸休めというか……1時間のドラマの中、フルパワーで肩の力を抜いてもいい瞬間をお届けできればと思っています。七苗さんとコウタロウさん(松下洸平さん)の関係性については、僕も気になりますし、皆さんも気になると思います。でも僕が出ているシーンでは、ぜひリラックスしてご覧ください!

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