女優の井上真央さんが、ドキュメンタリー番組「情熱大陸」(MBS・TBS系)で、ディレクターに初挑戦したことが9日、明らかになった。井上さんは、自身が尊敬する歌手の小田和正さんに密着。ドキュメンタリー取材の厳しさに悩みながら、ときにはマネジャーもつかず1人で、カメラ片手に真剣取材するなど、井上さんの独自の視点で小田さんに迫っている。
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5月で放送700回を突破し、15年目に入った「情熱大陸」では、新たな人物ドキュメンタリーの可能性を切り開く新企画として、第一線で活躍する俳優やタレント、アーティスト自身がディレクターとなり、自ら気になる“旬”の人物を撮るという新シリーズ「○○が撮る情熱大陸」を6月10日の回から放送する。その1回目のディレクターとして、井上さんが選ばれた。
井上さんは「どうせやるなら無理を承知で自分が尊敬する方に密着したい」と小田さんに取材をオファーしたところ、小田さんも「どんな番組になるのか分からない面白さがある」と快諾し、今回の企画が実現した。小田さんの密着取材は同番組では初。
手探りの中、4月から取材をスタートさせた井上さんだが、取材中はディレクターという仕事の厳しさを痛感し、「自分が小田さんの何を知りたいのか、何をドキュメンタリーとして見せたいのか、別の仕事をしていても、常にそのことを考えてしまうんです」と悩んだという。考え抜いた末、いちディレクターとして身一つで小田さんに挑む必要があるという答えを出し、マネジャーも付けず、たった一人でカメラを回しながら密着するなど、体当たりの取材を行った。
番組では、歌手として第一線で活躍する小田さんのように、自らも女優という仕事をずっと続けていくため、取材を通じて自分なりの“答え”を見つけ出そうとする井上さんの姿や、初のディレクター挑戦で、人間としても大きく成長しようとする姿も併せて追っている。
同番組の福岡元啓プロデューサーは、新企画について「ドキュメンタリストからすれば明らかに『禁じ手』なんですが、守りに入っていては番組の進化が望めないことを考えると、新たな一歩を踏み出すにふさわしい企画ではないかと思っています」とコメント。「この人だからこそ撮れるという映像、シーンが必ずあるし、この人だから撮らせてもいいというシーンもあるでしょう。そこで、テレビディレクターとしては、たとえ素人だとしても、この人が撮ったらどうなるのだろうというわくわくするようなディレクターキャスティングで、新しい可能性に挑戦してみたいと思います」と語っている。
なお、7月には「タレント・石橋貴明が撮るテニス選手・錦織圭」を放送予定で、現在取材を進めている。「情熱大陸」はMBS・TBS系で毎週日曜午後11時に放送。(毎日新聞デジタル)
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