斉藤由貴:緒方貞子役で16年ぶりにNHKドラマ主演 英語のせりふに初挑戦「特別な経験に」

=NHK提供
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 元国連難民高等弁務官で国際協力機構(JICA)前理事長の緒方貞子さん(85)の活動に迫る特別番組「NHKスペシャル 緒方貞子~戦争が終わらない この世界で~」が17日、放送される。1991年から10年にわたって、国連の難民救済機関UNHCRのトップを務め、難民を救うために世界を駆け巡った緒方さんの人生を、ドラマとドキュメンタリーを織り交ぜながら描く番組で、女優の斉藤由貴さんが緒方さんを演じる。同局のドラマに16年ぶりに主演する斉藤さんは「あまりにもハードルが高くて(出演するかどうか)大変迷いました」と明かしつつ、「この仕事は特別な経験になった」と実感を込めて語る。斉藤さんに撮影エピソードなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 番組は、“小さな巨人”とたたえられ、その類いまれなる行動力と決断力が世界の尊敬を集める緒方さんが果たした難民高等弁務官としての業績と人生を描く番組。防弾チョッキを身につけて紛争地に足を運ぶなど、徹底した現場主義を貫き、一人でも多くの命を救うために、前例にとらわれない決断を下していった緒方さんのエピソードをはじめ、幼少期からの戦争を巡る経験や、意外な人々との出会いなどを再現ドラマ形式で描く。緒方さんのインタビューもふんだんに盛り込まれる。

 今回初めて英語のせりふに挑戦したという斉藤さんは、「英語のせりふがすごく多かったので、できるかなという心配がすごくあった」と振り返る。「28歳で結婚したとき、主人が米国の(学校の)大学生だった」と明かした斉藤さんは、「結婚してもしばらく遠距離結婚だったので、仕事のお休みを半年いただいて、旦那さんが出た大学のスクールに半年通っていました」と留学経験を語る。斉藤さんは、留学経験に加えて、俳優の渡辺謙さんの英語指導をしている先生とトレーニングした成果もあり、劇中では流暢(りゅうちょう)な英語を披露している。

 撮影は6月上旬に約1週間、ハリウッドで行われたといい、現地スタッフとのタッグで映画「アイアンマン」でも使われたロケセットも使用した。ハリウッドスタイルでの撮影は初めてという斉藤さんは、印象に残ったことを「クラフトサービスと呼ばれるおやつタイムがあって! 揚げ立てのお菓子を持ってきてくれたりして、うれしかった!」と笑顔で語る。

 「英語はプレッシャーで、(せりふが)うまく言えないということもあったりする」と明かした斉藤さんだったが、「外国の俳優さんと議論して説得するシーンでは拍手がわいたんです」とエピソードを語った。同席した小山靖史ディレクターも「お芝居として感情が伝わった」と斉藤さんの演技を絶賛し、斉藤さんは「すっごくプレッシャーがあったし大変だったので、(拍手がわいたときは)すごくうれしくて感動しました」とほっとしたような笑顔を見せた。

 来年、デビュー30周年を迎える斉藤さんは「本分は母親。そこがぶれなければ(人生の)ビジョンってものはない」と話しつつ、「年をとったからって固まることなく、失敗も出てくると思うけれども、それでもやってみようと思う柔らかな気持ちを持っていこう」と意気込みを語った。「NHKスペシャル 緒方貞子~戦争が終わらない この世界で~」は、17日午後9時~同10時29分にNHK総合で放送。

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