注目映画紹介:「劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日」 体感型の戦国タイムトラベル

「劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日」の一場面 (C)2013 TSH Film Partners
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「劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日」の一場面 (C)2013 TSH Film Partners

 NHK総合の歴史教養番組「タイムスクープハンター」を映画化した「劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日」(中尾浩之監督)が31日に封切られた。同作は、タイムワープ技術を駆使してあらゆる時代を調査・記録する未来の機関「タイムスクープ社」の時空ジャーナリスト・沢嶋雄一(要潤さん)が、教科書に載らない名もなき人々を取材し、歴史の真実を考察する姿を描く。2009年の放送開始以来、人気のシリーズで、現在シーズン5まで放送。テレビシリーズの出演者に加え、女優の夏帆さん、俳優の時任三郎さん、お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さんらも出演する。

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 沢嶋は本能寺の変の直後の京都に派遣され、織田家の侍・矢島権之助(時任さん)と博多の豪商・島井宗叱(上島さん)に出会う。権之助に同行取材するが、未来の武器を持つ謎の山伏に襲われ、島井の持つ茶器“楢柴”を滝つぼに落としてしまう。歴史を変えぬため、新人ジャーナリストの細野ヒカリ(夏帆さん)と楢柴の行方を追い、時空を超える。やがて焼失直前の安土城にたどり着き……というストーリー。

 テレビシリーズの時から変わらぬ徹底した時代考証と、臨場感あふれるドキュメンタリータッチの映像はさらにスケールアップし、インパクトを与えている。沢嶋が操る未来の高性能装備品の数々は思わず欲しくなるし、シリアスなのにどこか三枚目の雰囲気を醸し出す要さんの演技にはなんとなくほっとさせられる。劇場版ではサスペンスや人間模様も加えられ、よりエンターテインメント感が増し、安土城がなぜ焼失したのかという、歴史好きが喜ぶ謎に挑んでいる。知的なアトラクションに乗るような感覚で、歴史のロマンを感じてみよう。31日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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