辻美優:素顔は「変な高校生」? 美声女グランプリが実写吹き替え初挑戦

WOWOWの海外ドラマ「北欧サスペンス『凍てつく楽園』~死者は静かな海辺に~」で実写吹き替え声優に初挑戦する辻美優さん
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WOWOWの海外ドラマ「北欧サスペンス『凍てつく楽園』~死者は静かな海辺に~」で実写吹き替え声優に初挑戦する辻美優さん

 「第1回全日本美声女コンテスト」のグランプリに輝いた辻美優さん(18)が、WOWOWで21日から放送される海外ドラマ「北欧サスペンス『凍てつく楽園』~死者は静かな海辺に~」にヒロイン・ノラの息子役の声を務める。本作で実写吹き替えに初挑戦する辻さんに、アフレコの舞台裏や作品の見どころ、「変な高校生です」と語るプライベートライフについて聞いた。

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 ◇コンテストから半年「世界が変わった」

 辻さんは、今年1月に開催された、女優と声優の才能を併せ持つ“声を届けるアイドル”を発掘する「第1回全日本美声女コンテスト」でグランプリを受賞。その後、劇場版アニメ「映画プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち」、スマートフォン向けゲーム「ガールフレンド(仮)」への声優参加や、ラジオのレギュラー番組出演など、幅広く活躍している。

 同コンテストから約半年。めまぐるしく変化した日常を「高校から真っすぐおうちに帰る回数が少なくなりました。休日にもいろいろとレッスンを入れていただいているので、『仕事をしてる』って気持ちになっています」といい、「刺激的な毎日ですね。本当に自分の世界が変わった」と充実感をにじませる。

 元々、芸能事務所に所属していたという辻さんは「読者モデルや女優として少しだけお仕事させていただいていたのですが、アニメがすごく好きで声優さんの仕事に興味があって。なので、アニメの声優に挑戦させていただいたときは夢みたいでした」と笑顔。「アニメは2次元の世界。3次元のこちらの世界と真ん中の“2.5次元”の世界に自分も踏み込めていけてるんだなと思うと、本当にドキドキというかワクワクが止まらなくて。幸せです」と続ける。

 ◇初の実写ドラマ吹き替えは「プレッシャー」

 そして今回、初挑戦するのが実写版の吹き替え。「本当に緊張しました。アフレコの現場も緊張感があって『これはミスできない』って。みなさん、実写ならではの“演技をしにいってる”という感じもありましたし、私の場合、レッスンを積み重ねて声優になったというわけではないので、プレッシャーを感じました」と率直な感想を語る。

 ドラマは、スウェーデンのテレビ4局で放送されたミステリードラマ。同国の女性作家、ビベカ・ステンさんの「静かな水のなかで」に始まる小説シリーズが原作で、ストックホルム群島の風光明媚(めいび)なリゾート地・サンドハムン島で見つかった水死体を発端に、被害者の複雑な過去が明かされていく。

 島を管轄するトーマス刑事は、水死体に絡まっていた漁網にあった所有者を示す記号に着眼するが、誰のものか分からない。そして捜査を進めるうちに、今度は被害者の妹の遺体を発見。現場には、漁網にあった記号を記したナプキンが置いてあった……というストーリー。

 ◇アフレコの舞台裏 アドリブに苦戦

 水死体の第一発見者で、偶然再会した幼なじみのトーマス刑事の捜査に協力する女性・ノラの幼い息子シモン役で声優を務める辻さん。「男の子の声を演じるのも初めて」とあって、「ちょっと低めで、子供の声を意識して演じてみた」というが、「ディレクターさんから『そんなに男の子の声を出そうとするんじゃなくて、自分の声で子供っぽく演技してくれればいいよ』ってご指摘を受けて。『そういうものなんだ』ってそのとき思いました」と難しさを語る。

 さらに、第1話でアドリブを要求されるシーンもあり、その際の失敗談も。「妹と海辺の砂場で遊んでいるシーンがあるんですが、とんちんかんなことをいってしまって。砂場だから『山を作ろう。トンネルを作ろう』と発したんですが、パニクってしまって、ずっと同じことをいい続けてしまって。もし全部使われてたら、たくさんトンネルができてしまっているので、内心ドキドキしています」と苦笑する。

 初の実写吹き替えに奮闘中の辻さんだが、作品の見どころについては「犯人がまったく分からないんですよ。視聴者のみなさんにも、誰が犯人なんだろうって楽しみながら見ていただけたら。スウェーデンの風景もきれいなので、そこも楽しめるんじゃないかなと思います。それから、主人公のトーマスが渋い感じでかっこいい。過去に何かあったような役柄なんですが、そこがまた魅力」とにっこり。自身演じる役柄も「シモンくんがとても可愛い」と語りつつ、「初めてアドリブをしたので、そこも聴いてもらいたいです」と笑いながら“思い出”のシーンもアピールした。

 ◇「変人キャラに誇りを持っています」

 コンテスト後、多忙な仕事の日々を過ごす一方で、辻さんは普段は学校に通う高校3年生。学校での自分を「変な高校生ですかね。結構みんなから変な子と思われているんですけども」と明かし、その理由を「仕事でもテンションが高いんですが、普段はもっとひどいんです」と苦笑。「でも私自身、変人に誇りを持っているんで、そういうキャラで行こうかなと」と笑い飛ばす。

 オフタイムは「ほとんど寝ていることが多い」というが、「ヨガに行ったり、近所を散歩したり、あとは1人カラオケもすごく好きです。特に安室奈美恵さんやアニメソング、ボーカロイドも結構歌います」と続ける。趣味は「絵を描くこと」。幼稚園から小学校を卒業するまで絵の教室に通っていたという辻さんは「当時はコンクールに出すと何かしら受賞していましたね。今は、風景画を描いたり、アニメみたいなキャラクターを適当に作ってみたり。トンガリくんやリボンちゃん……などたぶん10キャラくらいいます。いつか絵本とか作ってみたいですね」と楽しそうに話した。

 3月には高校卒業を控えているが、その後について聞くと「大学にも行きたいなあと思うんですが、でも大学に入れないくらい仕事を忙しくしていられたら……とも思うんです」とコメント。「もっと海外のドラマや映画の吹き替えにも挑戦したいし、大好きなアニメ声優やゲームのお仕事もしていきたい」と熱っぽく語り、さらに「演技レッスンもしているので、女優としてもドラマや映画に出たいです。どちらの世界も楽しいので、欲をいえば両方やっていけたらと思うんですよね」と目を輝かせた。

 辻さんが吹き替え版声優を務める海外ドラマ「北欧サスペンス『凍てつく楽園』~死者は静かな海辺に~」はWOWOWプライムで21日午後4時から放送。全3シリーズで、第1シリーズは全3話。第1話は無料放送。

 ◇プロフィル

 つじ・みゆう。1996年7月6日生まれ。2009年に「第12回全日本国民的美少女コンテスト」で本選出場を果たし、芸能界デビュー。13年1月に開催された「第1回全日本美声女コンテスト」のグランプリを受賞し、声優活動を開始した。声優として、劇場版アニメ「映画プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち」、スマートフォン向けゲーム「ガールフレンド(仮)」に出演。現在、パーソナリティーを務めるラジオ番組「辻美優、花房里枝、高橋美衣の美声女学園♪放課後ラジオ部」(文化放送)は毎週金曜午後9時半から放送中。

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