京都国際映画祭:世界遺産・二条城で華やかに開幕 牧野省三賞は篠田正浩監督の手に

元離宮二条城で行われた「京都国際映画祭2016」オープニングセレモニーで表彰された篠田正浩監督(右から2人目)ら
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元離宮二条城で行われた「京都国際映画祭2016」オープニングセレモニーで表彰された篠田正浩監督(右から2人目)ら

 今年で3回目となる「京都国際映画祭」(同映画祭実行委員会主催)が13日、京都市内で開幕し、世界遺産の元離宮二条城(京都市中京区)でオープニングセレモニーが行われた。同映画祭はよしもと祇園花月(京都市東山区)など同市内の複数会場で16日まで開催され、オープニング作品として“世界のミフネ”こと名優・三船敏郎さんのドキュメンタリー「MIFUNE:THE LAST SAMURAI」(スティーブン・オカザキ監督)をプレミア上映する。

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 セレモニーでは、祇園甲部の芸妓による「手打ち」も披露され、日本映画の発展に寄与した映画人を表彰する牧野省三賞が篠田正浩監督に贈られた。篠田監督は「1964年だったと思いますけれど、京都市民映画祭で『暗殺』が作品賞として受賞いたしまして、私が映画界で最初にいただいた賞で、そして今、85歳になり、現役を引退して執筆に終始していますけど、映画のことはひとときも忘れたことはございません。私の生涯で賞をいただくのは今日が最後と思います。京都にこんなにもご縁があったとは、私もこんな幸運に恵まれたこと、望外の喜びでございます」と語った。

 「京都国際映画祭」は、1997年から京都市内で開催されてきた「京都映画祭」を発展継承する形で2014年にスタート。「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに、映画、アート、パフォーマンス、工芸、演芸などあらゆる分野に対象を広げて京都から世界に文化を発信する。

 3年目の今年のキャッチコピーは「京都上ル上ル(あがるあがる)」。映画部門はドキュメンタリーとサイレントを中心に上映され、ゴーストライター騒動の佐村河内守さんにスポットを当てた作品「FAKE」が話題を呼んだ森達也監督や喜劇王チャップリンを特集。また、アート部門ではマンガ家の蛭子能収さんの個展も開かれる。

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