RYOKO:「うる星やつら」以来38年ぶりに編集長が新人抜擢 サンデーで連載開始

「RYOKO」のイラスト (C)三ツ橋快人/小学館
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「RYOKO」のイラスト (C)三ツ橋快人/小学館

 19日に発売された小学館の看板マンガ誌「週刊少年サンデー」47号で、持ち込みからわずか1年の新人の三ツ橋快人さんのデビュー作「RYOKO(リョーコ)」の連載が始まった。編集長が直々に新人を抜擢(ばってき)して同誌で連載が決まったのは、高橋留美子さんの「勝手なやつら」(後の『うる星やつら』)以来38年ぶり。市原武法編集長は「今すぐに読者の皆様に届けるべき作品だと強く感じた。常識や先入観、過去の成功の方程式などは必要ありません」と話している。

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 「RYOKO」は、秘薬を投与したため自我を持った食品たちが生まれ、人間が次々と消滅して荒廃してしまった世界を舞台に、父と弟とともに暮らす少女・料子(りょうこ)が、食材を狩る……という内容。

 マンガ家のデビューは、編集部への持ち込みを経て、新人賞を獲得し、その後、読み切り掲載で人気を得てから本誌の連載をつかむのが通例だが、今回は市原編集長が、新人賞を受賞した翌日に三ツ橋さんと会って即座にサンデーでの連載決定を告げたという。また新人賞受賞作がそのままサンデーで連載されるのは、河合克敏さんの「帯をギュッとね!」、藤田和日郎さんの「うしおととら」に続いて3作目。

 部数の低迷に悩むサンデーは昨年、市原さんが編集長に就任し、生え抜き新人作家の育成を優先する編集方針に切り替えると宣言して話題になった。現在は、コミュニケーションが苦手な美少女の日常を描いた「古見さんはコミュ症です。」(オダトモヒトさん)や防衛大を舞台にした「あおざくら防衛大学校物語」(二階堂ヒカルさん)など新人・若手作家の連載が始まっている。

 ◇週刊少年サンデー編集長 市原武法さんコメント

 三ツ橋快人先生。サンデー期待の新人作家さんの一人です。ですが、新人作家さんにとって連載デビューが早いからいいわけでも、遅いからダメなわけでもありません。早熟型の才能も、大器晩成型の才能もいらっしゃるからです。重要なのは、一人一人の新人作家さんの才能を最も輝かせられる方法は何か、ということだけです。今回の新連載「RYOKO」は、今すぐに読者の皆様に届けるべき作品だと強く感じたのです。そこには常識や先入観、過去の成功の方程式などは必要ありませんでした。少年サンデーは今、次々と若き才能たちが躍動し始めてくれています。そして今後も若き才能の大抜擢を続けていきます。応援してくださる読者の皆様におかれましては、まずは三ツ橋快人先生の新連載「RYOKO」をご一読いただき、少年サンデー新世代の息吹きを感じていただければ幸いです。

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