女優の柴咲コウさんが主演する2017年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で、落語家・春風亭昇太さんが演じる今川義元に、ほとんどしゃべらせないという演出プランがあることが分かった。東京・渋谷の同局で5日に行われた初回完成試写会で上映された第一話では一言も発しておらず、NHKの制作統括の岡本幸江チーフプロデューサー(CP)は「逆に噺家(はなしか)さんが一言もしゃべらないのは、かえって怖いかなと思った」と狙いを説明。2話以降についても「3回に1回、一言だけしゃべることがある」と“予告”した。
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昇太さん演じる今川義元は、顔面白塗りで眉一つ動かさずにしぐさだけで周りを動かす、冷酷かつ不気味な人物として描かれ、昇太さんが普段かけているめがねは当然着けていない。岡本CPは「めがねを外してしまうとクレーバーな目をしていらして、全然違った姿が見えてくるんじゃないかと思った」といい、「今川氏というのは、(桶狭間で)負けてしまったので、ダメダメ武将なイメージがありますが、当時としては名門で、優れた領国経営をしていた。井伊家にとっても今川家はとてもとても恐ろしい存在だったので、ぜひそういう今川義元にしたいと思った」と明かしていた。
また、主人公・井伊直虎を演じる柴咲さんが“前髪ぱっつん”のオカッパ頭になることについては、「当時の女性は髪が腰くらいあるのが普通で、髪を短くするのは俗世を離れるということ。(オカッパ頭は)出家しているという証拠」と説明。中村梅雀さんの“語り”については、井伊家の領地・井伊谷(いいのや)に伝わる伝説の存在である「“竜宮小僧”が直虎を見守っているという設定」で、「梅雀さんさんは推定年齢400歳って言っていました(笑い)」と明かしていた。
ドラマは、激動の戦国時代に男の名を名乗り、井伊家の家督を継ぎ“おんな城主”となった女性・井伊直虎の生涯を描く。主人公・直虎は、幕末の大老・井伊直弼の先祖で、徳川家康の重臣・井伊直政の養母。井伊家当主・直盛の一人娘として生まれるが、戦のたびに当主を殺され、男の名で家督を継ぎ、今川、武田、徳川が領地を狙う中、知恵と勇気を頼りに、仲間と力を合わせて国を治め、幼い世継ぎの命を守りながら、生き延びていく。オリジナル作品で、脚本は「世界の中心で、愛をさけぶ」「JIN-仁-」などの森下佳子さんが担当。放送はNHK総合ほかで17年1月8日から。
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