関西テレビ(カンテレ)の開局60周年を記念した特別ドラマ「カンテレ開局60周年特別ドラマ BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸」が制作され、俳優の井浦新さんが主演を務めることが7日、分かった。1995年の阪神・淡路大震災での実話を基にしたヒューマンドラマで、井浦さんは、震災当時、JR六甲道駅の復旧に関わった岡本啓さんがモデルの主人公・高倉昭を演じる。野村周平さん、葵わかなさん、椎名桔平さんも出演する。2019年1月15日に放送。
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ドラマは、震災当時、線路ごと崩落するなど被害の大きかったJR六甲道駅が舞台。過酷な状況の中、倒壊した駅をわずか74日間で復旧させた実話が基になっている。井浦さんが演じる高倉は建設会社・磐巻(いわまき)組の工事所長で、震災直後、JRからの依頼で倒壊した六甲道駅の復旧工事を担当する。
野村さんは、現場で高倉と出会い、突然工事の記録係を命じられてビデオカメラを回し続けた少年・春日豊、葵さんは六甲道で生まれ育った春日の幼なじみの女性、椎名さんは42歳になった2018年の春日をそれぞれ演じる。椎名さんが演じる春日は、当時のエピソードを現代の若者に語り継ぐ語り部として重要な役割を担う役どころという。
井浦さんは、阪神・淡路大震災が起きたときは「20歳で、甚大な災害が起きたときにどうするべきか、という知識も経験も全く持っていませんでした。あの時の自分はただただ未熟で、すぐに行動を起こすという手段も発想もなかったですね。実際に、(主人公・高倉のモデルになった)岡本さんにもお会いすることができ、その当時どんな心境だったのか、くやしさ、怒り、疲弊、気持ちの面を細かくお話をうかがうこともできましたので、役作りへの大きな力になったと思います」とコメント。
続けて、作品について「これは台本をもらった最初の段階も、撮影が始まった今も変わっていませんが、復旧をした人たちがヒーローだというわけではなく、災害が起きたときに“そこにいる人たちがどう生きてきたか”を描くドラマだと思います。被災した人たちが絶望しても、次の日になればまた太陽が昇り、明日がくる。と同時に、その横ではコンクリートを粉々にし、撤去をしている人たちもいる。その混在した姿がこのドラマの神髄ではないかと感じています」と思いを語っている。
兵庫県出身で震災が起こる直前に生まれたという野村さんは、「このお話が来たときはうれしかったです。僕自身も小さいころに震災を経験した人間なので、震災復興の物語に参加できるのはありがたいです」とコメント。
椎名さんは、「数千人もの犠牲者の方々、数万人もの被災者の方々、そしてご家族・ご友人の方々、このドラマが、23年前に起こったこの悲劇を見つめ直し、今なお震災で心身に傷を負っている方々に、少しでも寄り添う力になればと願っています」と思いを語り、主演の井浦さんについて「井浦さんとは、映画『悼む人』でご一緒させてもらいました。敬愛する天童荒太さんの原作で、重厚なテーマの作品だったのですが、狂気をはらんだ難しい役柄をとても人間的に演じていたのが印象的でした。今回、大震災の復興に心血を注いだ主人公を演じると聞いて、誠実に生を紡ぐ人間ドラマになると確信しています」と話している。
ドラマは、19年1月15日の午後9時~11時18分に関西テレビ・フジテレビ系で放送。
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