俳優の高橋一生さん主演の連続ドラマ「東京独身男子」(テレビ朝日系、土曜午後11時15分)。高橋さんと、斎藤工さん、滝藤賢一さんの3人演じる「あえて結婚しない男子(AK男子)」が織りなすラブコメディーだ。ドラマを手がける同局の中川慎子プロデューサーは現代に現れた「AK男子」に関して「生き方が多様化してさまざまな選択肢が選べるようになってきている時代に、『あえて結婚しない』彼らの選択が、見ている人の希望になれば。『こういう生き方もありなんだな』と気持ちが少しラクになってもらえたら」と語る。作品に込めた思いを聞いた。
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ドラマは、人並み以上の容姿を持ち、スペックも高く、気の合う仲間とつるみながら、独身ライフを楽しむ3人のアラフォーAK男子が登場するラブコメディー。高橋さんが大手銀行勤務の石橋太郎、斎藤さんがバツイチで審美歯科クリニック院長の三好玲也、滝藤さんが法律事務所のボス弁護士・岩倉和彦をそれぞれ演じる。ドラマ「中学聖日記」(TBS系)などの金子ありささんが脚本を手がけ、「未解決の女 警視庁文書捜査官」(テレビ朝日系)などの樹下直美さん、「昭和元禄落語心中」(NHK総合)などのタナダユキさんらが監督を務めている。
ドラマの企画は約2年前に立ち上がり、中川プロデューサーと脚本の金子さんが「何か今の時代を切り取るようなラブコメを」と打ち合わせを重ねる中で、男性の新しいゾーンとして「仕事もできて趣味も友人関係も充実していて、女性にもモテるけど、今はあえて結婚しないという男性」にスポットを当てたストーリーが出来上がっていったという。
中川さんは「世間一般的に人生の選択肢が広くなり、多様化してきている中で、そういった新しいゾーンの男性は確かにいるのでは?という金子さんのアイデアに共感できたし、そういう人たちの価値観やライフスタイルをコメディーとして描けたら面白いだろうなと考えた」と話す。
AK男子は「結婚は女に自由を与え、男から自由を奪う」といって独身生活を謳歌(おうか)していたが、それぞれ身に起こった出来事をきっかけに結婚を意識するようになる。太郎はかつてプロポーズまで考えた元恋人と再会し、三好は彼のアイデンティティーにも関わる男性更年期障害に直面。岩倉は父親の介護という転機を迎える。コメディーではあるが、それぞれが抱える問題は切実だ。
そんなドラマのターゲットは、AK男子と同世代の男女だという。「男性の話を描いていますが、『悩みは性別を問わず』という部分も届けたいと思っています」と中川プロデューサー。「男性でも女性でも、独身であっても、結婚していても、生き方の自由が選べるようになった分、モデルがある生き方もあれば、ない生き方もあります。今がそれを模索していく時代なのだとしたら、『あえて結婚しない』と言っている彼らのこの先の選択肢が、見ている人の希望になれば、と。彼らが選択していく生き方が、多様化をさらに後押しするものであったらいいなと思います」と語る。
AK男子の生き方について中川プロデューサーは「この長い人生の中、一人で生きていくことは自由だけれど、不安なこともある。また、一人で生きる自由を選べば、その代わりに背負う覚悟や責任も出てくる」といい、「それをもって彼らがどんな選択をして、どうやって生きていくのかを描いていきたい。『あんなふうに生きている3人がいるんだったら、ちょっと心強い』『ちょっと気持ちがラクになる』と思えるような作品にしたい」と力を込めた。
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