土屋太鳳:女優としての「現在地」は? 「まれ」以来のNHKドラマ主演で感じたこと

ドラマ「Wの悲劇」に主演する土屋太鳳さん
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ドラマ「Wの悲劇」に主演する土屋太鳳さん

 NHK・BSプレミアムで11月23日午後9時から放送される単発ドラマ「Wの悲劇」で主演する女優の土屋太鳳さん。「Wの悲劇」と言えば、幾度となく映像化されてきた傑作ミステリー。1984年に公開された薬師丸ひろ子さん主演の映画版を思い出す人も多いのではないだろうか。「原作回帰」と言われる今回のドラマで、主人公の和辻摩子を演じた土屋さんは「女優人生にすごく刺激をもらえる作品なんだって改めて感じました」と振り返る。2015年度前期の連続テレビ小説(朝ドラ)「まれ」以来、4年ぶりのNHKドラマ主演となった土屋さんに、作品への思いに加え、女優としての「現在地」を語ってもらった。

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 ◇共演者の役の捉え方や、アイデアの出し方が「すごく刺激」に…

 今回の「Wの悲劇」は、過去の名作を現代によみがえらせる、NHK・BSプレミアム「リバイバルドラマ」シリーズの一作。和辻製薬会長の与兵衛(大和田伸也さん)の誕生日パーティーが別荘で開かれ、その夜、摩子(土屋さん)が大伯父の与兵衛を刺し殺す事件が発生。摩子の母・淑枝(中山美穂さん)は娘の正当防衛を訴え、集まった一族に事件の隠ぺいを頼み込む。そこで与兵衛の弟・繁(鶴見辰吾さん)や与兵衛の主治医間崎(吉田栄作さん)らが中心となって、強盗殺人に見せかけた隠ぺい工作を始める。パーティーの招待客だった摩子の先輩・春生(美村里江さん)もその片棒を担ぐことになるが……。

 「共演者の方々が本当に素晴らしくて。皆さんの役の捉え方やアイデアの出し方、集中力、そういったものがすごく刺激的で、そのまま映像に出ていると思います」と仕上がりに自信をのぞかせる土屋さん。摩子が犯した罪を、みんなで協力し合い、どうにか隠そうとしながらも、その一方で各人の本性が徐々にあぶり出されていく展開、緊迫感のある会話劇も見どころだ。「皆さんが真摯に“キャッチボール”をしてくれたのが、すごくうれしかったですし、それぞれがひょう変する瞬間は、皆さん役者としての底力を発揮する瞬間でもあるので、そこはぜひ見ていただきたいです」とアピールする。

 摩子を守ろうとする母・淑枝役の中山さんの印象は「多くを語らないのに存在感があって、『秘すれば花』という言葉が本当に似合う女優さん」で、「分かりやすくコミュニケーションをとるというよりは、いつもそばにいて、何も言わずとも、受け止めてくださった」と感謝。そんな中山さん演じる淑枝に摩子が「大嫌い」との言葉を投げつけるシーンについては、「心の中では『本当は大好きだよ』って思いながら言ったので、一番、印象に残っています」と明かしていた。

 ◇未来の自分のため「闘うってことをやっていかなければ」

 改めて4年前の「まれ」についても聞いてみた。「『まれ』は恋愛要素も多かったですし、地域の問題も描かれていて、すごく意欲的な作品だったと思います」と思い返す土屋さん。

 女優としてNHKに戻ってくることは一つの目標でもあったといい、「私が最初に受けたオーディションが、『第2の薬師丸ひろ子さんを探せ』というコンセプトで。摩子という女性を演じることは憧れでもあったので、『初心を忘れない』という意味でも、『Wの悲劇』の摩子役で、NHKさんに戻ってこられて本当に良かったと思いますし、運命的なものを感じます」と感慨深げ。

 「まれ」の頃の自分と比べて「自分がどう成長しているのかあまり実感がないです」としながらも、「未来の自分のためにいろいろなことを試したり、周りに流されないためにも、闘うってことをやっていかなければならない時期に来ているような気もしていて……。今回の『Wの悲劇』がそうだったように、みんなが攻めの姿勢でいられる現場にまた出会えるように、自分が今やれることを総動員して、一つ一つの作品や役に向き合っていけたらと思っています」と前向きに語っていた。

 ドラマ「Wの悲劇」はNHK・BSプレミアムで11月23日午後9時~同10時29分に放送。

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