俺の家の話:阿部サダヲの出演は西田敏行からのお願いだった! 磯山CPに聞く「潤 沢」誕生秘話

連続ドラマ「俺の家の話」の第6話にゲスト出演した俳優の阿部サダヲさん(C)TBS
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連続ドラマ「俺の家の話」の第6話にゲスト出演した俳優の阿部サダヲさん(C)TBS

 人気グループ「TOKIO」の長瀬智也さんが主演を務め、宮藤官九郎さんが脚本を手がける連続ドラマ「俺の家の話」(TBS系、金曜午後10時)。長瀬さんが主人公・真島誠を演じたドラマ「池袋ウエストゲートパーク(IWGP)」(同局系)の舞台となった思い出の場所が登場したり、ゆかりのある役者が出演したり……長瀬さんの“集大成”とも言える作品だ。家族旅行が描かれた第6話には、長瀬さん(主演)と宮藤さん(脚本)のタッグ作の常連である阿部サダヲさんが登場したが、実は西田敏行さんからの熱望により実現したという。ドラマを手がける磯山晶チーフプロデューサーが裏話を語ってくれた。

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 ◇きっかけは…「恋する母たち」の落語

 「俺の家の話」は、ピークを過ぎたプロレスラー・観山寿一(じゅいち、長瀬さん)が、能楽の人間国宝である父・寿三郎(西田さん)の介護のために現役を引退し、名家の大黒柱として、次々と一家に降りかかる困難に立ち向かう。そして謎の女性介護ヘルパー(戸田恵梨香さん)を巻き込みながら、家族と一致団結し、一家をまとめていくというストーリー。

 第6話では、各地のスーパー銭湯を回るムード歌謡グループ「潤 沢」が登場し、メンバーのたかっしを阿部さんが演じた。スパリゾートハワイアンズで、「潤 沢」の新曲「秘すれば花」を披露する予定だったが、豪雪により「潤 沢」のメンバーが本番に間に合わなくなってしまい、急きょ、寿一、踊介(永山絢斗さん)、寿限無(桐谷健太さん)が舞台に立つことに。たかっしと一緒に歌声も披露した。

 当初は、スパリゾートハワイアンズに行くことは決まっていたというが、阿部さんの出演は決まっていなかった。そんな中、磯山さんは「俺の家の話」の1クール前に放送されていたドラマ「恋する母たち」を手がけており、阿部さんは人気落語家・今昔亭丸太郎役で出演していた。

 「(恋する母たちでは)阿部さんが落語をやっていて、その落語の演目が『まんじゅうこわい』。実は西田さんも昔『タイガー&ドラゴン』でやっている演目で。その(阿部さんの)落語の動画を西田さんに送ったら、『どうしても俺の家の話にサダヲちゃんを出してほしい』って西田さんに言われて、宮藤君に書けます?と相談しました」と当時を振り返る。

 どういう形で阿部さんに登場してもらうのがいいか模索する中、「そこ(ハワイアンズ)にいるゲストと交わることによって、面白いことにならないかなと話になって。話し合っていくうちに、『潤 沢』っていうのがいいよねって話になりました」と明かす。

 ◇佐藤隆太は「俺の家の話」出演を直談判

 阿部さんのほかにも、「俺の家の話」には、長瀬さんとゆかりのある役者たちが続々と出演している。例えば、第8話には佐藤隆太さんが、「さんたまプロレス」行きつけのスポーツ整形外科医役で出演した。長瀬さんと佐藤さんが、同じ宮藤さん脚本の作品で共演するのは、2000年に放送されたドラマ「IWGP」以来、21年ぶり。「IWGP」では、長瀬さんが主人公・真島誠(マコト)、佐藤さんがマコトの相棒の森正弘(マサ)を演じていた。

 磯山さんは、「最初は、カメオ出演(ゲスト出演)はお願いすることに消極的でした。なんか自分たちだけで感傷的になってる感じになりそうで」と明かしつつも、「8話くらいから、台本できて『この役誰にしよう?』って思ったときに、知らない人がくるのが嫌だなって思ってきちゃって。やっぱりせっかくだからあの人に頼んでみよう!という感じになって……」と変化があったという。

 佐藤さんは、宮藤さんに自ら「出してくれ」と出演のお願いをしていたといい、「『整形外科医しかないけどいい?』って聞いたら、(佐藤さんが)『いい』って言ってくれたんで、お願いしました」と裏側を明かす。

 ◇最終回への思いとは

 この日の取材は、最終回の撮影が進む中、行われた。これまでの撮影で印象に残るシーンを尋ねると、「一番楽しかったのは、『潤 沢』のステージ! 本当に楽しかった!」と話した磯山さん。「心に残ったのは、9話でのスーパー世阿弥マシンと出演者全員が、お父さんの枕元で『肝ったま! しこたま! さんたま!』と言うところで、出演者全員でエールを送るみたいな感じがすごくよかったです」と振り返る。

 3月26日放送の最終回では、親子の生き死にをテーマにした「隅田川」という演目の能にも注目してほしいという。「10話分全部見てきてよかったなと思ってほしいですし、介護とか、家族の話を真っ正面からやったので、見終わった後、親に電話したくなるとか、家族を大切にしようと思ってもらえたらいいなと思います」と話す。

 また、「人は一人では生きていけないというか、家族がいないと自分は生まれていないと思うので、そういうことも含めて、人と人との関わりの意味を改めて提示できたらいいな」と続けた磯山さん。最後に、「(最終回は)気持ちをまっさらにして見てください」と視聴者に向けて呼びかけていた。

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