連続ドラマ「しょうもない僕らの恋愛論」(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後11時59分)に出演する女優の矢田亜希子さん。ドラマは、40代で独身、人生の停滞期に入った筒見拓郎(眞島秀和さん)が主人公のヒューマンドラマ。矢田さんは、拓郎をひそかに思い続ける高校時代の同級生・森田絵里を演じている。今作をはじめ、これまでに数々の役を演じてきた矢田さんは、「経験値が増えて、いろいろな感情も知って。何もかもがプラスされていくから、年々難しくなっています」と話す。女優業への思いを聞いた。
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ドラマは、マンガ「冬物語」「部屋においでよ」などで知られる原秀則さんの同名マンガ(小学館)が原作。学生時代の恋愛に一つのやり残した思いを抱えていた拓郎のもとに、20年前に愛した谷村安奈からSNSの友達申請が届く。しかし、目の前に現れたのは彼女の17歳の娘・くるみ(中田青渚=せいな=さん)で……と展開する。
「タイトルから想像するに、『あっ! 恋愛モノが来た!』と思って」とオファー時を振り返った矢田さん。脚本を読み進めていくうちに、単なる恋愛ドラマではないと感じたといい、「人間関係の40代のリアルさがすごく出ていた」と振り返る。
矢田さん演じる絵里は、“バリキャリ”で、大手家電メーカーの美容機器部門の課長。拓郎とは、漫才コンビのように会話が弾む仲だが、告白するタイミングを失い、20年以上も片思いしている。「友達関係のままでいい」と自分の中で折り合いをつけてきた……という人物だ。
そんな絵里を「純粋さと臆病さがある人」と話した矢田さんは、「とてもしっかりしていて、バリバリのキャリアウーマンではあるのに、初恋の相手である拓郎をいちずに思い続けている。なんてピュアだと思いましたし、その気持ちを持ち続けてるのはすごい!」と驚きを隠せない様子。
“初恋”について、映画のワンシーンのようなキラキラ感がある、と表現した矢田さんは、「早い段階に、自分の気持ちを伝えるなどのアクションがあれば、そこで終わっちゃうのが初恋。だけどそれができないまま来ちゃっているから、思い続けるのもわからないでもない」と理解を示しながら、「長い年月、拓郎の近くにいますから、その気持ちは捨てられないんだろうなと共感できますね」と続けていた。
そんな絵里を演じるにあたり、拓郎とのシーンは、肩の力を抜いて、リラックスした感じで臨んでいるという。一方、職場のシーンでは、キビキビと動き、意見はズバッと言って、部下にも信用してもらえるようなしっかりしたイメージで演じている。
拓郎役の眞島さんとは、好きなもんじゃ焼きの具材について話すなど、たわいない話で盛り上がっている。「今回のようなドラマは、相手がいての言葉のキャッチボールだったりするので、眞島さんの現場での感じを見て、作り上げて……という感じ」と明かしていた。
1995年放送の人気ドラマ「愛していると言ってくれ」(TBS系)でデビューした矢田さんは、これまでに数々の人気作品に出演してきた。そんな矢田さんに、女優業の面白さを尋ねてみると、「面白いなというよりも、本当に難しいなと思う」と明かす。
「若ければ若いほどまっすぐで。年齢を重ねるほどいろいろ(芝居のパターンが)増えてくる。お芝居には正解がないし、年齢を重ねれば重ねただけ経験値も増えて、いろいろな感情も知って増えて、幅がどんどん広がっていくからこそ、年々難しくなるなという気持ちもあります」
正解がない芝居の世界。撮影後、自身の芝居について思いをめぐらすこともある。「『(正解は)どれがいいの?』って思っちゃいます。でも、難しいからこそ、逆に面白いって言えるのかな」と話す。今後については、「この仕事って、引退をされる方はあまりいないというか……。『何歳までどういう役ができるのかな?』って考えることもあって。おばあちゃんの役とかできたらいいな」と話していた。
「今目の前にあるもの。ドラマで役を演じることにまず集中したいし、楽しみたいです」と笑顔を見せていた矢田さん。今回の絵里役にも注目したい。
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