町田啓太：尊敬する存在は母「人間としてすごくリスペクト」　「連続ドラマW フィクサー」新聞記者の役作りは

　俳優の町田啓太さんが出演するWOWOWの「連続ドラマW フィクサー」Season2が7月9日から放送される。唐沢寿明さんが主演を務め、世の中を裏で操る「フィクサー」を題材に金と権力に群がる人々の姿を描いたドラマだ。町田さんはSeason1から引き続き、母の生き方を尊敬している大手新聞社の政治部記者・渡辺達哉を演じる。町田さんに演じるうえで意識していることなどを聞いた。
　
　◇達哉役は母との関係性を意識

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　ドラマは「白い巨塔」（フジテレビ）などを手掛けた井上由美子さんがオリジナル脚本を担当。Season1は、首相を乗せた車が崖から転落、意識が戻らない首相は辞任に追い込まれ、総裁選がスタートする。謎のフィクサー・設楽拳一（唐沢さん）は「キングメーカー」として与党総裁候補たちを手玉に取り、権力を掌中に収めていく……というストーリーだった。Season2では、達哉が東京都知事の妻に対する殺人未遂の容疑をかけられることになり……と展開する。

　町田さん演じる達哉は、周りに流されることなく真実を追い求める実直な男だ。町田さんは「真相を追っていく新聞記者という役なので、ストーリー全体を楽しんで追いかけていく感覚でした。ストーリーテラーという目線でたくさんの情報が入ってくるキャラクターで、出会う人もさまざまで演じがいがあり、現場に行くのがとにかく楽しみでした」と振り返る。

　役作りでは、実際に新聞記者に話を聞き、役に近づいていった。また、斉藤由貴さん演じる母・渡辺響子との関係性も大事なポイントだと考えていたという。

　「なぜ記者になったのかを考えると、母との関係性がすごく大事だと思ったんです。たぶん、片親であるというところが最大のポイントで『母を守らなきゃ』という思いからくる正義感ですね。あとは片親であるがゆえに、聞きたいけど聞けないこともたくさんあったんだろうな、と。『いろいろなことを、真実を知りたい』という思いが深層的にあって、新聞記者にベクトルが向いたのかなと。考えれば考えるほどいろいろな発想が浮かぶキャラクターで楽しかったです」

　◇唐沢寿明との共演「しびれた」

　演じる達哉は、母の生き方を尊敬しているが、それは町田さん自身にも共通する部分だ。

　「僕も母のことをすごく尊敬しています。母は家庭のことを全部やりつつ、自分も働いていて。当時は分かりませんでしたが、自分が仕事を始めてから、それがいかにすごいことかと……。この職業もそうですが、僕がこうしたいなと思うことを自由にやらせてもらえました。本当に、自分が思っているよりたくさんのことを考えてやってくれていたんだろうなと思います。そう思うと、人間としてもすごくリスペクトがある。僕もいろいろな人にそうできるようになれたら、と思うんですけど……なかなか難しいですね」

　新たに始まるSeason2では、事件を追う記者から一転、殺人未遂の疑いをかけられる立場に。Season1とは異なる状況に身を置く達哉をどう演じているのか。

　「前のめりでいろいろなことに関わっていくんです。そういう臆さない姿勢は大事にしなければと思いますし、それゆえSeason2ではすごく苦しむこともある。そこで周りに救われ、いろいろなことを経験するほど人間性も少しずつ変わっていく。監督とお話しした時に『人間ってそうやって環境で変わることもあるから、演じながら変わってもいい』と仰ってくださって。それが心に留め置いているポイントですね」

　Season2では、拳一を演じる唐沢さんと相対するシーンも。唐沢さんとの共演について「しびれましたね（笑い）、唐沢さんのお芝居と存在感に。僕もすごく楽しみにしていたシーンだったので、楽しかったですし、ぜひ楽しみにしてもらいたいですね」と楽しそうに振り返る。

　本作で物語に欠かせない重要な役を演じているように、これまでもさまざまなドラマで活躍してきた町田さん。現在33歳の町田さんに、最後に30代になって感じる変化とこれからの目標を聞いた。

　「体調は変わりましたね（笑い）。『寝ないとダメだな』と思うようになりました。それに、感じ方も変わってきます。だから、その時に思うことを役や作品に投影できるように常に準備はしておきたいなと思うし、より多くのことを感じておきたいです。一つ一つ、（役に）深く入ろうと思っています。『あ、これが限界かな』と思ったところからさらにできるようにしたいなと考えています」

　「連続ドラマW フィクサー」シーズン2は、7月9日から毎週日曜午後10時にWOWOWプライム・WOWOW4Kで放送、WOWOWオンデマンドで配信される。