松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)で、戦国屈指の人気武将・真田信繁を演じた日向亘さん。12月17日の最終回では、徳川と豊臣の最終決戦「大坂夏の陣」が描かれ、父・昌幸(佐藤浩市さん)の「乱世を取り戻せ」との遺言を胸に決死の突撃をして視聴者に強い印象を残した。そんな日向さんが、2020年のデビュー作以来の再共演となった昌幸役の佐藤さんへの思い、信繁役の秘話を語った。
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2019年に「ホリプロ」が主催した俳優オーディション「HORIPRO MEN’S STAR AUDITION」でグランプリを受賞し、2020年のWOWOWの連続ドラマ「連続ドラマW 太陽は動かない -THE ECLIPSE-」でデビューした日向さん。同作では、主人公・鷹野一彦(藤原竜也さん)の高校時代を演じたが、鷹野の上司の風間武役で出演していたのが佐藤さんだった。
そして今回の「どうする家康」で実現した佐藤さんとの再共演は、デビュー作の撮影時から数えて、4年越しの念願がかなった瞬間にもなった。
「デビュー作でご一緒させていただいたときは、血のつながっていない、育ての親と孤児という間柄だったのですが、それが今回、血のつながった親子として、再共演させていただいて、僕の中の勝手な思い入れもあって、とてもうれしかったです。撮影中も僕の話を、私生活のことも含めて聞いてくださり、浩市さんも若いころの話、それこそ僕の年齢(19歳)のときの話とか、ずっとお話をさせていただいていました」
日向さんにとって、佐藤さんは芸能界の父のような存在だという。
「一歩引いて見たら、本当に俳優界のレジェンドで、時代をけん引し、若手を引っ張り上げてくれる人、というイメージがあるのですが。自分が積極的にコミュニケーションをとった結果、僕にとっては本当にお父さんのような、というか、浩市さんも息子を見るようなまなざしで気にかけてくださるので、そこはちょっと不思議ですし、恐れ多いのですが、本当に可愛がっていただいている、という印象があります」
「どうする家康」の信繁役において、佐藤さん演じる真田昌幸の子、という部分を強く意識したという日向さん。実はドラマの終盤で再登場した信繁の陣羽織にも、父子の絆を感じさせる秘密が……。
「昌幸が亡くなったあと、九度山に蟄居していた信繁が、大坂城に呼び出されて、豊臣方に尽くすことになるのですが、そこから信繁が着ている陣羽織が“父ちゃんのもの”になっているんです。色も似ているので、もしかしたら気づかれないかもしれないので、ぜひ放送が終わったら、視聴者の皆さんに伝えてほしいです」
主人公・家康(松本さん)の天下取りに最後まで抗った信繁。返り血を浴びながら決死の突撃で、家康の首を取る寸前まで迫った姿がラストシーンとなった。乱世の終わりと共に命を散らした信繁を演じ終えての心境も聞いた。
「それこそ実在した人物を演じるのが初めてだったので、そこに対する責任、プレッシャーはありました。僕の想像だけで演じてはいけないし、かといって、史実をなぞるだけでは、自分にこの役を任せてもらった意味がなくなってしまう。そこのバランスや塩梅というか、すでに出来上がっている信繁像を崩さずにいくか、いかに自分で作ったものを出すかの“板挟み”みたいなところはすごく考えさせられました」
時代劇自体、初挑戦で「身に着けるものや所作、口調と、新しく経験させてもらうこと、たくさんありました」とも振り返る日向さん。
「しかも信繁は武将で、『戦の天才』と呼ばれるくらい戦闘力が高いので、『大坂の陣』でも迫力のあるシーンもあって。そこは大変な思いしながらも、すごく楽しみながら、新しい挑戦をさせていただいたと思っています」
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