十角館の殺人:映像化不可能? 綾辻行人のデビュー作、「館」シリーズ1作目を実写映像化 来年3月からHuluで配信 内片輝監督、脚本は八津弘幸

「十角館の殺人」のティザービジュアル(C)綾辻行人/講談社
1 / 2
「十角館の殺人」のティザービジュアル(C)綾辻行人/講談社

 人気作家・綾辻行人さんのデビュー作にして、「館」シリーズの1作目「十角館の殺人」が実写映像化され、2024年3月22日からHuluで配信されることが分かった。

ウナギノボリ

 同作は、綾辻さんの1987年の「十角館の殺人」から「奇面館の殺人」まで9編の長編推理小説で構成される「館」シリーズの1作目。現在はシリーズ10作目の「双子館の殺人」が連載中で、全世界でシリーズ累計670万部のベストセラーとなっている。

 実写映像化にあたっては、ハリウッド仕込みの映像演出で緊張感のある作風を得意とする内片輝(うちかた・あきら)さんが監督を務める。内片さんは以前から親交のあった綾辻さんに映像化を打診したという。脚本は、八津弘幸さんが手がける。

 物語の舞台は、1986年、十角形の奇妙な外観を持つ館「十角館」が存在する角島。この館を建てた天才建築家・中村青司は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を遂げていた。半年後、無人島と化していた角島に、大学ミステリ研究会の男女7人が合宿で訪れる。その頃、海を隔てた本土では、かつてミス研メンバーだった江南孝明のもとに、死んだはずの中村青司から1通の手紙が届く。江南は調査を進める中で島田潔という男と出会い、行動を共にする。一方、十角館ではミス研の1人が何者かに殺害される。疑心暗鬼に陥り、互いに仲間を疑いはじめるメンバーたち。孤島である角島から出ることができるのは、1週間後だ。二つの物語から起こる衝撃の結末とは?

 綾辻さんは「原作をすでに読んでおられる人にとっては、気になるのはやはり、『映像化不可能』であるはずのメインの仕掛けをどうやって『可能』にしているか、という点でしょうから、まずはその興味でご覧ください。ですが、その試みが成功しているか否かについては、原作を読まずに見た人の感想を伺うしかないわけです。そのあたり、なかなか向き合い方が難しい作品かもしれませんね。ともあれ、内片監督渾身(こんしん)の作であることは間違いないはずです。どんな仕上がりになるのか、僕も大いに楽しみにしています」とコメントしている。

 ティザービジュアルと超特報映像も解禁された。ビジュアルは、建築家・中村青司が設計した正十角形の間取りが特徴的な館で、原作にも登場する「十角館の平面図」をメインに据えている。超特報映像には、映像化不可能といわれた同作に対する綾辻さんの「どうやって実写化するの? できるの?」というコメントが映し出され、死んだはずの中村青司からの「お前たちが殺した千織は、私の娘だった」という謎に満ちた手紙、原作のイメージそのままの実写の十角館の館内、角島にやってきたミス研メンバーの姿が映し出されている。

写真を見る全 2 枚

テレビ 最新記事