ザ・リーダー:アークレイ松田猛社長 検査機器のトップメーカー 糖尿病と闘う阪神・岩田投手をサポート

しだれ桜の下で語るアークレイ松田猛社長(右)と高井美紀アナ
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しだれ桜の下で語るアークレイ松田猛社長(右)と高井美紀アナ

 経済界を引っ張る経営者にMBSの高井美紀アナウンサーがインタビューし、その人間像を描きだすドキュメンタリー番組「ザ・リーダー」(MBS、関西ローカル)が17日午前5時から放送される。血糖自己測定器で国内トップシェア「アークレイ」の松田猛社長に、研究開発一筋でロングセラーの検査機器を開発、社長まで登り詰めた軌跡や、プロ野球・阪神タイガースの岩田稔投手の個人スポンサーとなった秘話を聞く。

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 番組は、誰もが知っている大企業の社長、ちょっとユニークな中小企業のオヤジたち、次々とヒット商品を生み出す企業の経営者ら経済界を引っ張るリーダーを、高井アナが訪ね、人心掌握術、健康法、趣味、愛読書などさまざまな話を聞き、“関西経済の潜在力”を探るというもの。

 番組では、40億円以上を投じて購入したという江戸時代から続く日本庭園の中にある研究所を訪ね、見事なしだれ桜の下で、社長になっての最大の決断が「営業方針を変えたこと」だったことを明かす。コンビニを例に挙げ「自社の商品を売るために他社の商品も含めてトータルで提案する」という型破りな営業戦略について語る。

 松田社長はソフトウエア開発会社から1992年にアークレイの前身、京都第一科学に入社。ソフトウエア開発から畑違いともいえる電気系技術者として転職した。「社員と飲みに行ったりどんちゃん騒ぎする」という行きつけのもつ鍋店で、「電気設計したいと言っても経験が全くない私を取ってくれたのもビックリするが、入ってすぐ『君の担当』と設計を任されてね。ライオンを突き落とすみたいな、自分ではい上がって来いっていう感じの会社だった」と話し、その後、がむしゃらに働き、開発リーダーのポジションを得た松田社長は、糖尿病や肝機能障害の兆候を調べる装置の小型化に成功、ロングセラー商品となり、社長へと駆けあがる足掛かりを築いた軌跡を振り返る。

 そして、1型糖尿病を患いながら阪神の先発ローテーションの一角を担う岩田投手の個人スポンサーとなり、岩田投手が同じ病気と闘う子どもたちや家族と交流する活動などを支援している経緯について、「お子さんの糖尿病というのは非常に重要な問題。若年層の方が未来に夢と希望をいだけるように、糖尿病であったとしてもこういう立派なプロスポーツ選手になれるのだよということを示していこう、というような思いがあった」と語る。松田社長は「糖尿病以外の仕事もいっぱいしている。どうせなら生活習慣病のアークレイと言われたい」と話す。

 今後、事業を広げながら次の世代へバトンを渡したいという松田社長は、京都大学のキャンパスにサテライトラボを構え、世界が注目する日本の再生医療研究に参画。糖尿病検査での実績を踏まえ、iPS細胞由来の膵臓(すいぞう)の細胞を自動で培養する装置を開発して、臓器の移植が必要な患者のため、大量に細胞をつくるという目標を持っている。

 放送は17日午前5時~5時半、次回は5月15日の予定。

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