川栄李奈:「とと姉ちゃん」で夢の朝ドラ AKB48から女優でブレーク 落選の過去も

NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に森田富江役で出演中の川栄李奈さん=NHK提供
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NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に森田富江役で出演中の川栄李奈さん=NHK提供

 高畑充希さん主演のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で、女優の川栄李奈さんが、ヒロイン小橋常子らが住み込みで働くことになった仕出し屋「森田屋」の大将の娘・富江役で出演している。昨年3月に「AKB48」を卒業して以来、舞台で高い評価を受け、映画やドラマで活躍している川栄さんは、「朝ドラ出演が目標だったので夢がかなった」と目を輝かせる。川栄さんに朝ドラ初出演の感想や撮影エピソード、今後の目標などを聞いた。

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 ◇朝ドラ出演「本当にうれしい」

 「とと姉ちゃん」は、生活総合誌「暮しの手帖」創業者の大橋鎮子の軌跡をモチーフとしたドラマ。11歳で父を亡くしたことを境に家族の父代わりとなった小橋常子(高畑さん)が静岡から上京し、女性向けの雑誌を創刊。高度経済成長期を生きる女性に支持されていく……というストーリー。川栄さん演じる森田富江は、常子たちが急きょ住み込みで働くことになった仕出し屋「森田屋」の跡取りの一人娘で、父親の宗吉をピエール瀧さん、母親の照代役を平岩紙さんが演じている。

 初めての朝ドラ出演で川栄さんは「目標でもあったので、夢がかなった」と喜び、「学ぶところがたくさんある」と前向きに語る。実は、以前にも朝ドラのオーディションを受けていたという川栄さん。「朝ドラのオーディションは2、3回受けて、落ちていた」という過去を告白し、“朝ドラ出演”は「無理だろうなと思っていた」と明かす。それゆえに今回の出演は喜びも大きく、「(出演できるとは)想像していなかったです。まったく考えていなくて……」といい、「本当にうれしいです」と顔をほころばせる。

 演じるのは、常子たちが住み込みで働く「森田屋」の富江。川栄さんは富江について「学校にも行かずにお手伝いをしていて、文句も言わず働いてすごいなと思います。朝からお弁当屋さんを手伝っていて、本当にしっかりした子なんですよ。そういうところが好きです」とその魅力を語る。富江と自身との共通点は「しっかりしているところ」と川栄さん。「ちゃんと料理や掃除、洗濯とか、家のことをやるところ。(自分も)18歳ぐらいから一人暮らししているので……。あと、意外ときれい好きなので、どれだけ忙しくても掃除はちゃんとします(笑い)」と笑顔で語る。

 ◇クールで優しい富江の役作りは

 富江はクールな雰囲気が漂うが、奥には優しさがあるキャラクター。川栄さんは「(初めに演じたときは)クールすぎちゃって……。クールなんだけど、すごく優しい子で、と(監督に)説明されて。それからは、優しい子という部分を強めにしてお芝居しました」と明かす。役作りでは仕出し屋の娘という役柄を演じるにあたり、その所作を学んだ。「お弁当の並べ方とか、はしの持ち方とか。子供が使うようなゴムが付いているはしを買って。料理は小さい頃から好きだったので、難しいなという感じはなかったですね」と語る。

 共演する常子役の高畑さんについて「気さくな方なので、疲れも見せずに、しゃべりかけてきてくれて」といい、現場で仲よく談笑することも多いという。川栄さんは高畑さんの印象を「ふんわりした感じなのかなと思いきや、ちょっとおじさんぽいというか。空き時間とかにイカを食べたり。面白い方です」と笑顔で語る。演技についても学べるところが大きいといい、「本当にうまいし、表現力も豊かだし、(せりふも)こういう言い方するんだ、ということを学べます」と語る。

 ◇憧れは満島ひかりさん 今後は“グロい役”も希望

 AKB48卒業後、舞台「AZUMI 幕末編」に主演し、その演技力が高く評価されている。今期も「とと姉ちゃんのほか、ドラマ「早子先生、結婚するって本当ですか?」(フジテレビ系)ではヒロインの妹の人妻役で出演、映画「デスノート」の続編「DEATH NOTE Light up the NEW world」(佐藤信介監督)では人々を恐怖に陥れる狂気のデスノートの保有者を演じるなど女優としての心境著しいが、プライベートでは、「家に帰ってテレビを見て、お風呂入って寝る、というのが普通に幸せです」と普通な一面も。「ぼおうっとしている時がすごく幸せ」とほほ笑む。

 念願の朝ドラにも出演し、女優として着実にステップアップしていく川栄さん。今の手応えを聞かれると、「まだまだたくさん共演者から学ぶことが多い」と控えめに語りつつ、「いろんな役をできたらいいなと思っています」と意欲も見せる。憧れは女優の満島ひかりさん。「ずっと好きで。いろんな役をやっているけれど全部はまっている。目標にしている方です」と目を輝かせる。川栄さんは以前共演した際に「アイドルから女優はすごく大変だけど頑張ってね」と満島さんから声をかけられたエピソードを明かし、「母親役もはまっているし、声優もやっていて。なんでもできる方で、すごく尊敬しています」と思いをはせる。

 今後挑戦してみたい役は、「ちょっとグロい映画が好きなので、そういう役をやってみたい。『こいつやべえんじゃねーか』みたいな(笑い)」と川栄さん。「30歳、40歳になっても活躍できる女優さんになりたいなと思っています。『あの子、いろんな役できるよね』と言われるような女優さんになりたいですね」と笑顔で語った。

 「とと姉ちゃん」はNHK総合で月~土曜午前8時ほかで放送。全156回を予定。


 <プロフィル>

 かわえい・りな 1995年2月12日生まれ。2010年にAKB48のオーディションに合格。15年8月にAKB48を卒業。卒業後、昨年9月に舞台「AZUMI 幕末編」の主演を務めるなど女優として活動中。放送中のNHKテレビ小説「とと姉ちゃん」では仕出し屋の娘・森田富江役で出演中。

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