女優の波瑠さんが主演する連続ドラマ「お母さん、娘をやめていいですか?」がNHK総合の金曜午後10時のドラマ枠「ドラマ10(テン)」で放送されている。脚本家の井上由美子さんによるオリジナルストーリーで、友達以上に仲のいい母娘の関係が、1人の男性の登場で一変し、母と娘が泥沼のバトルを繰り広げる……というサスペンスフルなホームドラマだ。波瑠さんに大切にしている言葉や、理想の女性像について聞いた。
ウナギノボリ
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日ごろから座右の銘に「一視同仁(いっしどうじん)」を挙げている波瑠さん。「誰にでも分けへだてなく、平等に接する」という意味がある。
この言葉と出合ったのは高校生のころ、電子辞書での“遊び”がきっかけだ。「本を読むのが好きだった」という波瑠さんは、電子辞書で意味や読み方の分からない言葉を調べるだけでなく、時間のあるときに辞書をアイウエオ順に読んだり、ランダムに選んだ頭文字の言葉を調べたりしていたという。
波瑠さんは「一視同仁だから、(辞書の)最初の方に出てきたと思うんですけど」とおどけつつ、「意味を読んで、すごくすてきだなと思いました。今も変わらず大事にしたいなと思っています」とにっこり。
仕事でさまざまな人と関わるが「上とか下とか、この人だからこういう対応とかではなく……。生意気だと思われてしまうこともあるんですが、(どんな人にも)媚(こ)びることなく極端にせずという気持ちです」ということを心がけている。
理想とする女性像も「一視同仁を体現する女性か」と聞くと、「そうですね。なかなか難しいですけれど」と言いつつ、「それも含めて、自分らしくしているのがいいのかな。それと親切であるということは、とても大事だと思います。女性らしさをフェミニンで片付けず、人間味のあるたくましさも持って……」と続ける。
そして「女性はこうあるべきとか、こういうことが女性らしくて褒められるとか、そういう枠でくくるのが窮屈に感じるので、そういう枠がなくなればいいのにと思いますね。人間らしく……でいいんじゃないかな」と考えている。
一方、職業柄、いわゆるステレオタイプな“可愛らしい女性像”を求められることもある。「もっと可愛くと言われると、『可愛く』って明るく元気とは違うのかなと(考えて)、今でもつまずきます。ただ人によって『可愛い』『元気』という言葉に抱いている意味が違うので、そのギャップを穴埋めしながら演じています」と笑顔を見せた。
ドラマは27日に第3話「暴走」が放送される。波瑠さん演じる私立女子高の英語教師、早瀬美月が、住宅メーカーの松島太一(柳楽優弥さん)と交際を始めるが、娘が自分から離れていくことを実感した母・顕子(斉藤由貴さん)が、ある行動を起こしてしまう……という展開。少しずつ近づく美月と太一の関係や、それに比例するように“暴走”する母の姿も見どころだ。
<プロフィル>
はる。1991年6月17日生まれ。東京都出身。2006年に角田光代さんの直木賞受賞作を映像化したドラマ「対岸の彼女」(WOWOW)で女優デビュー。その後、数々のドラマや映画に出演。14年公開の「がじまる食堂の恋」(大谷健太郎監督)で映画単独初主演。15年後期のNHK連続テレビ小説「あさが来た」のヒロイン・白岡あさ役でブレークし、昨年は「ON」(フジテレビ系)で民放の連ドラに初主演したほか、「世界一難しい恋」(日本テレビ系)でヒロインを演じた。
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