大学読書人大賞:冲方丁さんの「天地明察」が受賞

討論会に参加した各作品の推薦者と永江朗さん
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討論会に参加した各作品の推薦者と永江朗さん

 全国の大学文芸サークルが学生に最も読んでほしい本を選ぶ「2011 大学読書人大賞」に冲方丁さんの時代小説「天地明察」が選ばれた。

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 全国53の大学文芸サークルが推薦する143作品の中から投票により上位6作品を選んだうえ、各サークルが6作品の中から最大2作品を選んで推薦文を書き、6作品それぞれについて最も優れた推薦文を選出。推薦文を書いたサークルの代表が15日に集まり、フリーライターで早大教授の永江朗さんをゲストコメンテーターに迎えて公開討論会を開き、関西大現代文学研究部の和田晴子さんが推薦した「天地明察」が大賞に選ばれた。選出方法はただ投票するのではなく、書いて、議論することに重きを置いているという。

 2位には伊藤計劃さんの「虐殺器官」、3位に湊かなえさんの「告白」、以下、伊坂幸太郎さんの「砂漠」、マイケル・サンデルさんの「これからの『正義』の話をしよう」、米澤穂信さんの「インシテミル」の順となった。

 「天地明察」は、江戸時代前期に囲碁棋士の名門に生まれながら初代天文方となった安井算哲こと渋川春海が、和算に打ち込み、日本初の独自の暦となる「大和暦」を作り上げていく……というストーリー。第31回吉川英治文学新人賞と10年の本屋大賞を受賞しており、「月刊アフタヌーン」(講談社)では、槇えびしさんによりマンガ化されている話題作だ。

 大学読書人大賞は、今年で4回目で、1回目はアーサー・C・クラークさんの「幼年期の終り」、2回目は舞城王太郎さんの「好き好き大好き超愛してる。」、3回目は森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」が選ばれている。6月17日には、冲方さんを招いて贈賞式が行われる予定。(毎日新聞デジタル)

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