瑛太:三池監督とカンヌ映画祭に登場「日本人として光栄」 3D時代劇「一命」を上映

「一命」の上映のためカンヌ映画祭のイベントに登場した瑛太さん(右)と三池崇史監督(c)Kazuko Wakayama
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「一命」の上映のためカンヌ映画祭のイベントに登場した瑛太さん(右)と三池崇史監督(c)Kazuko Wakayama

 歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(33)と俳優の瑛太さん(28)の共演で話題の3D時代劇「一命」(三池崇史監督)が19日(現地時間)、仏カンヌで開催中のカンヌ映画祭で上映され、瑛太さんと三池監督らが会見とレッドカーペットセレモニーに登場した。上映前に開かれた会見で瑛太さんは「俳優として、日本人として、このような場に参加できたことを光栄に思います。家族を守るために自分の命を懸けた男を演じ、人は自分の家族のためにどこまでできるのかについて、僕自身考えさせられました」と語り、昨年結婚して子どもも生まれて家族ができたことで、とくに役に実感を込めることができたようだ。

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 映画は、1958年に発表された滝口康彦さんの「異聞浪人記」を基に三池監督が3Dで映画化。原作は1962年に仲代達矢さんの主演映画「切腹」として映画化されている。浪人の津雲半四郎(海老蔵さん)と千々岩求女(瑛太さん)は、それぞれの事情で生活が困窮していたが、愛する人との生活を願い、武家社会に立ち向かっていく……という物語。同作は今回のカンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品され、22日に発表される最高賞「パルムドール」を競うことになる。

 三池監督は「今回私自身、初めての3D映画の撮影となったわけですが、日本独特の狭い空間にある奥行きを3Dの技術を使い、撮影したいと思いました。一日一日、撮影を日々積み重ねることによって映画は生まれ、その結果このような映画祭に参加することができ、うれしく思います」と語り、キャストについては「海老蔵さんと瑛太さんを主演に迎え、海老蔵さんの“形(かた)”で作る演技と、瑛太さんの“感情の揺れ”が生む演技の出合いがありました。それは私が持っていないものでした」と新たな発見があったことを明かした。

 瑛太さんは「三池監督の撮影現場はとても、厳しいという印象を受けていましたが、実際はユーモアがたくさんある方で、僕の質問にも丁寧に答えてくれました。(監督から)常に『瑛太はどんなのものが出せるのか』といつも問われている気がして、緊張の連続でした」と撮影を振り返った。

 その日の夕方には上映前にレッドカーペットイベントが開かれ、三池監督は多くの海外メディアの取材に答えながらカーペットを歩いた。その後、三池監督と瑛太さんはメーン会場に詰めかけた一般招待客2300人とともに3Dメガネをかけて本編を観賞した。上映後は、5分以上にわたって会場全体でスタンディングオベーションによる温かい拍手がスタッフに送られた。

 上映後に取材に応じた三池監督は「ほっとしました。お客さまに確実に伝わったなという感じがして、監督として一つ仕事を終えたというところです。本当に楽しんでいるのが伝わってきた。温かい気持ちのいい拍手をいただいたので、それがこちらにも伝わってきて“サムライ”の物語がフランスでも通じるのかなという感じです」と手応えを感じたようだ。瑛太さんは「見ていただいたお客さんたちの反応を肌でビシビシ感じられました。(賞については)結果論とかそういうことではなく、僕自身は俳優をやってきて周りの人に感謝したい。この先も俳優を続けていきたいと改めて思いました」と気持ちを新たにしていた。「一命」は10月に全国で公開。3D同時上映。(毎日新聞デジタル) 

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