復讐捜査線:マーティン・キャンベル監督に聞く 主演メル・ギブソンの一言で「彼をより好きになった」

映画「復讐捜査線」について語ったマーティン・キャンベル監督 (C)2009 GK Films,LLC.All Rights Reserved.
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映画「復讐捜査線」について語ったマーティン・キャンベル監督 (C)2009 GK Films,LLC.All Rights Reserved.

 「マスク・オブ・ゾロ」(98年)、「007 カジノ・ロワイヤル」(06年)などで知られるハリウッドのヒットメーカー、マーティン・キャンベル監督が、85年に英BBCで放送された人気テレビシリーズ「刑事ロニー・クレイブン」をセルフリメークした最新作「復讐捜査線」が30日、公開される。8年ぶりの主演となるメル・ギブソンさんが復讐の鬼と化したベテラン刑事を熱演。日本での公開を前に、ギブソンさんとの撮影中のエピソードやアクション映画へのこだわりについて聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 ボストン警察殺人課のベテラン刑事トーマス・クレイブン(ギブソンさん)は、最愛の娘を目の前で射殺されてしまう。事件は彼に恨みを持つ者の犯行と思われたが、彼は独自に捜査を開始。実は事件の陰に、娘が勤務していた軍需企業の犯罪的行為と国家の安全保障にまで影響を及ぼす巨大な陰謀が潜んでいた。やがて、クレイブンの命までも狙われるようになるなか、クレイブンは娘の仇(かたき)を討つべく黒幕である軍需企業のトップに迫っていく……というストーリー。

 −−ギブソンさんの完全復帰作とうたわれる本作ですが、オファーの経緯と彼の印象を教えてください。

 撮影に入る8カ月前に初めて会いました。世界中で一番この役にふさわしい、ベストな俳優だと思い、オファーしました。年齢的にもぴったりですし、彼もやりたいということで、(決定は)パーフェクトだと思いました。彼には「この映画(役)を演じたい!」という熱意を感じました。彼は、たくさん質問を用意してきてくれましたし、「脚本にも参加したい」と言っていました。自分のキャラクターを作り上げるところから参加したいという俳優なので、プロフェッショナルだという印象を受けました。彼が出てくれたことは私たちにとって、とてもラッキーなことです。

 −−ドラマ「刑事ロニー・クレイブン」のリメークとのことですが、ドラマを踏襲した部分と最も変えた部分は?

 ドラマでは1時間のものが6本だったので、映画の3倍の6時間でした。基本になっている物語は一緒ですが、テレビ版の方がもっとキャラクターが多かったですし、ストーリーも複雑でした。娘のくだりもテレビ版にはもっとありました。今回は映画ということで120分だったので、よりシンプルに、よりストレートになっています。いつの時代でも、年月が経過しても復讐の気持ちや父と娘の関係は共感を呼ぶものだと思うので、そこはドラマを踏襲しました。

 −−ギブソンさんに対してはどういう役者というイメージを持っていましたか? そして今作を撮影してイメージが変わった部分はありますか?

 この映画を始める前、昔から彼を俳優として大好きでした。「リーサル・ウェポン」(87年)、「ブレイブハート」(95年)など見た作品すべて本当にいい演技でした。実際に一緒に仕事をしてみて、本当に一生懸命仕事をする人だという印象を受けました。メルは監督としての知名度もかなりありますが、僕に最初に言ってくれたのは、「僕はこの映画では単なる俳優だから、あなたが監督をしてくれ。僕はそのあたりは口出しをしない」ということ。この言葉で、僕はより彼を好きになりました。

 −−監督は「007 カジノ・ロワイヤル」などを手がけたアクション映画の名匠とたたえられていますが、アクション映画を撮る際に最も気を付けていること、ポリシー、アクション映画を製作する醍醐味(だいごみ)を教えてください。

 特にポリシーというものはないです。アクションシーンは振り付けをするような形で作り上げています。そして常に違うものにしようと心がけています。娘が殺されるシーンは、とにかく(見ている)みんなにショックを与えようというものでした。誰も予想していないことをやってみたり、アクションでは見たことがないものを作ろうという心構えはあります。

 今回、危険だったシーンはありませんでした。すごく危険そうに見えると思いますが、安全面には非常に気を配っています。それが一番の優先事項で、俳優やスタッフに危害が及ばないようにと、とても気を付けています。

 −−撮影中も最も印象に残ったエピソードを教えてください。

 何も問題なく、スムーズに撮影は進んでいました。メルには常にユーモアセンスがあり、みんなを笑わせてくれる人です。そして本当に彼はプロフェッショナルなので、撮影はとてもスムーズでした。彼のアイデアで、愛情を持って育ててきた娘との関係が分かるよう、いくつかアドリブを入れて演じていましたよ。

 −−日本で公開を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

 映画を楽しんでいただきたいです。僕はこの作品を楽しんで作りました。メルの演技も素晴らしいですし、とても興奮するストーリーになっておりますので、楽しんでいただけると思います!

 −−今後どんな作品を手がけたいですか。今、構想されていることがあれば教えてください。

 4、5本プロジェクトを抱えており、まだどれが次になるかは分からないです。そのうち2本がラブストーリーで、3本はアクションです。「グリーン・ランタン」(9月10日公開)が大変な撮影だったので、ちょっと休みがほしいですね。

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