宮崎あおい:オランダ坂、グラバー園、諏訪神社…ロケで長崎を堪能 NHKドラマ「蝶々さん」で

「蝶々さん」の長崎ロケ現場で会見した(左から)池脇千鶴さん、伊藤淳史さん、宮崎あおいさん、イーサン・ランドリーさん=NHK提供
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「蝶々さん」の長崎ロケ現場で会見した(左から)池脇千鶴さん、伊藤淳史さん、宮崎あおいさん、イーサン・ランドリーさん=NHK提供

 女優の宮崎あおいさん(25)主演で今秋放送されるNHK土曜ドラマスペシャル「蝶々さん」の長崎ロケが5~7日に行われ、7日の活水女子大(長崎市東山手町)での撮影後、出演者らが会見した。オランダ坂やグラバー園、諏訪神社など市内の名所で撮影したが、宮崎さんは「いろいろ移動しながら撮影しましたが、諏訪神社に行けたのがすごくうれしかったですね。たくさん階段を上がっていって、上がった先から見えた景色がとても素晴らしくて、自分が動くと視覚の中の見えている景色が変わっていくので、まるで絵を見ているようなとても不思議な感覚でした。また来たいなと思える場所で撮影できるのがうれしかった」と振り返った。

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 ドラマは、大河ドラマ「花の乱」などの脚本家・市川森一さんがプッチーニのオペラ「蝶々夫人」を基に長崎新聞で連載、08年に出版した小説が原作。明治初期、武士の娘として生まれたお蝶(宮崎さん)が、両親や養母の死後、女中となり、舞妓(まいこ)となって生きていく。そんな中、世の中の役に立ちたいという思いから英語を学んだお蝶は、やがて米国の海軍士官フランクリンと出会い、結婚。しかし夫には本国に妻がおり、お蝶は1人で息子を出産する……という物語。昭和11(1936)年のオペラ「蝶々夫人」舞台の再現や、維新の長崎の風情などを積極的に取り入れ壮大な歴史抒情詩のドラマを目指して制作され、市川さん自身が脚本を手がけている。

 宮崎さんは撮影前に市内を散策し、「撮影の前日にロープウェーに乗って夜景を見に行きましたが、本当に街がすてきで、撮影をしていても楽しいし、ただ坂道は少し大変ですが歩くだけで楽しいし、その長崎の街に力を借りて、すてきな作品、シーンを撮ることができたと思います。また東京に戻ってからも頑張ります」と長崎を堪能し、今後の撮影に前向きだった。

 お蝶の幼なじみのユリ役を演じる池脇千鶴さん(29)は、撮影した活水女子大について「作品に登場するこの学校に来られたことが私としてはうれしいですね。私も昨日夕方に来て、外には出られていないですが、すごいですね、この建物が。和だけじゃない異国情緒を感じます」と感動していた。ユリの兄でお蝶を思い続ける伊作役を演じる伊藤淳史さん(27)も「昨日の夕方に長崎に来て、着いた時には暗くなっていて、今日も建物の中の撮影のみで、外の空気を感じることはありませんでした。ただ、昨日の夜、ちょっと時間があったので、長崎の駅の方までお散歩がてらに歩きつつ、郷土料理をいただきました。帰るときに上を見上げると、山なりに家が建っていて、夜景が本当にきれいでした。なかなか、東京ではそういう景色を見ることできないなと思って、ほろ酔い状態で感動しました」と感じ入っていた。

 主人公の生きざまについて宮崎さんは「(お蝶は)フランクリン(イーサン・ランドリーさん)と出会って、子どもを産んで、1人で育てていくわけで、その彼への思いというものを、ずっと持ち続けることがとても大事なんじゃないかと思いました。その思いが見ている人にもきちんと伝われば、うまくいくのかな、と思いました。違う見方をしてしまうと、外人さんと結婚して捨てられてしまった女性とも見られる、そう感じる方もいらっしゃるかもしれない、という不安が少し私の中にはあるので、それをなくすためには、いろんな人の思いとか、彼との間との思いを、きちんと自分の中に持ち続けることで、そういうふうには伝わらずに、できるのかなと。この3日間で思ったので、その思いを大事に最後まで1カ月間、走り続けたいなと思います」と役への思いを語った。伊藤さんが演じる伊作の昭和期を野田秀樹さんが演じるほか西田敏行さん、戸田恵子さん、ともさかりえさんらも出演する。「蝶々さん」は11月19、26日の午後9時~10時13分に前後編として放送する。(毎日新聞デジタル)

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