大塚シノブ:震災背景のシンガポール共同合作ドラマに主演

シンガポール共同合作ドラマ「ムーンケーキ」制作発表に登場した(左から)チー・ユーウーさん、大塚シノブさん、プリシリア・チャンさん
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シンガポール共同合作ドラマ「ムーンケーキ」制作発表に登場した(左から)チー・ユーウーさん、大塚シノブさん、プリシリア・チャンさん

 シンガポールとの初めての共同合作ドラマ「ムーンケーキ」(TBS系)の制作発表が6日、シンガポール大使館(東京都港区)で行われ、主演を務める国際派女優の大塚シノブさんら出演者が登場した。ドラマはフィクションながら東日本大震災を背景にしており、大塚さんは「(震災当時)東京にいたので、すぐに飛んでいって何かをしたい、手伝いたいと思ったが、1人の力はすごく小さいなと感じました。でもこの企画に参加することで、何かできないかと思いました。このドラマに関われて感謝しています」と熱く思いを語った。

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 ドラマは、結婚が破談になり、家族との縁を絶ってシンガポールに来た東北出身の日本人女性・川久保美月がシンガポール民間防衛隊(SCDF)隊員のジュンロンと出会い、美月が作った月餅をきっかけに家族への思いを語り、ジュンロンの元婚約者、リー・ジャーメイに邪魔されながらも愛をはぐくんでいく。しかしジュンロンは人命救助のプロとして災害地を飛び回る人生を選び、クリスマスに会う約束をしながらも気持ちはすれ違っていく。そんな中、11年3月11日東日本大震災が起こり、ジュンロンはハイパーレスキュー隊として、日本へ派遣される……という物語。タイトルの「ムーンケーキ」とは月餅のことで、シンガポールでは中秋の名月を見ながら家族で分け合って食べる習慣がある。フィクションだが、震災でシンガポールはもちろん、世界各国からのさまざまな救援活動に感謝を表すこともテーマの一つだという。市毛良枝さん、笛木優子さんも出演する。

 ジュンロンを演じるチー・ユーウーさんは「国の違う二つのグループが、言葉も通じないまま同じドラマを作るのは正直心配でした。しかし、初日に現場で一番大切な信頼関係が生まれました」と話し、「このプロジェクトに恵まれて大変幸運です。ドラマを超えて友達ができたのがとてもうれしい」と喜んだ。リー・ジャーメイを演じるプリシリア・チャンさんは「こんにちは。初めまして。月餅のドラマに参加することができてうれしいです。よろしくお願いします」と日本語であいさつし、「たくさんのチャレンジがありましたが、残ったのは強い友情だと思います」と笑顔を見せた。

 大塚さんは神奈川県出身。学生時代から日本のテレビドラマやCMで活躍した後、中国に単身留学。独学で中国語をマスターし、中国の女優チャン・ツィイーさんらを輩出した俳優学校「中央戯劇学院」に特待留学生として入学。中国の映画やドラマに出演するほか、雑誌の表紙を飾るなど活躍している。07年には本木雅弘さん主演の日中合作映画「夜の上海」に出演した。日本語、中国語、英語を話すトライリンガル。

 会見では、日本語の後に流ちょうな中国語でもあいさつし、「大事に温めてこられた作品に参加させていただくことにうれしく思います。国境を超えたラブストーリーですが、家族の絆についても考えていただける。クリスマスイブに大切な人との絆についてもう一度考えていただければ」とPRした。放送は24日午後4時~56分。(毎日新聞デジタル)

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