NHK大河ドラマ「平清盛」を巡り「画面が汚い」と改善を申し入れるとした兵庫県の井戸敏三知事の発言について、同局の金田新・放送総局長は18日、申し入れを受けていないことを明らかにしたうえで「視聴者の方がそういうご意見を持っているということで真摯(しんし)に受け止め、参考にしたい」と述べた。さらに番組の磯智明チーフプロデューサーは、画面についてよりリアルに時代の空気感を表現するための演出と説明し「(発言を受けて)変更の予定はありません」と断言した。
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井戸知事は10日の記者会見で「まず画面が汚い。(視聴者が)チャンネルを回す気にならないのでは」などと述べ、近くNHKに内容の改善を申し入れる方針を明らかにしていた。
金田総局長は、報道を通じてのみ知事の発言を耳にしているとし、「大河ドラマは家族でいろんなことを言いながら見るもの。そうやって見ていただいたことの証拠なので、ありがたいと思っている。(知事によって話題にされて)今後の視聴率が楽しみだなと思っています」と余裕を見せた。
磯チーフプロデューサーは「平安末期という時代感を出すために、コーンスターチやスモークを入れて当時の舗装されていない時代の空気感を出したかった」と説明。また「(カメラで)コマ数を縛ることで躍動感を出している。(加えて)色を調整して陰影をつけて、よりリアルな映像に近づけたいという趣向。平安時代という遠い時代だが、よりリアルな映像体験ができるように努めている」と話した。また「武士と貴族という対比を分かりやすく伝えようとしており、貴族の描写については(汚いと言われる)そういうような描写はほとんど使っていません。これから清盛が出世して国の頂点に立つに従って清盛や平家の扮装もドラマチックに変わっていく。そのあたりも楽しんで」と強調した。
また8日に放送された同ドラマの初回平均視聴率17.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)について、金田総局長は「健闘した。伏線がいろいろ入っていたのでのみ込むのに時間がかかるかなという印象はありますが、今後を期待させるような形になっており、私は非常にいいスタートを切ったと思っている」とコメントしている。(毎日新聞デジタル)
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