連続テレビ小説:13年前期は「あまちゃん」 クドカン脚本で北三陸の海女アイドルが主人公

13年前期のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の脚本を担当する宮藤官九郎さん
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13年前期のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の脚本を担当する宮藤官九郎さん

 NHKは4日、来春スタートする平成25(2013)年度前期の連続テレビ小説のタイトルを「あまちゃん」と発表した。東北・北三陸の小さな田舎町を舞台に、最北端の海で海女さんを目指すヒロインが、挫折と奮闘ののちに、地元アイドルとなる……というストーリー。宮城県出身の宮藤官九郎さんが、故郷のある東北を舞台にオリジナルで描く人情喜劇となる。

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 同日行われた制作発表には、脚本を手がける“クドカン”こと宮藤さんが登場した。同局のドラマを手がけるのは初という宮藤さんは、「こんなに長い物語を書くのも初めて。ぼくのことを知らない方も見ると思いますので、今までの自分のくせみたいなものが通用しないんじゃないかというのは楽しみ。あと15分で盛り上がる話が書けるのかなとも思う」と語り、「今のところあまり、てらわずに行こうかなと思ってます。どのくらい大変か分からないんですが、分からないまま終わっちゃえばいいなと思ってます」と意気込んだ。

 物語については、「割と軽い感じで『あまちゃん』といっちゃったんですが。朝ドラっぽいかなと、割と、そんな感じで。最初に思ったのは、辺鄙(へんぴ)な街に行けば行くほど、その土地にしか行かないと会えないアイドルがいるっていうのはちょっといいかなと思って」と説明。ヒロインのイメージについては、「朝ですから、元気があるに越したことないんですが、元気も行き過ぎると、『毎朝元気か……』となる。ほどほどに元気な。笑顔のすてきな子がいいですよね」と語った。

 ドラマは、岩手・北三陸の架空の田舎町が舞台。東京のスピードについていけず、引きこもりがちだった高校2年生のヒロイン・アキが、夏休みに母の故郷に連れられて行き、“北限の海女”として海に潜る祖母の姿を衝撃を受け、海女を目指すことに。海に潜るようになったアキは、やがて「地元アイドル」として注目され、町おこしのシンボルとして駆り出される。そして、母の隠された秘密を知ったアキは、東京で本格的にアイドルを目指すことになるが……というストーリー。

 制作統括の訓覇圭(くるべ・けい)さんは、東北が舞台となったことについて、「震災があったからというわけではなく、宮藤さんの故郷だから。もちろん東北の方に見ていただいて元気になっていただきたい。地元の人の愛情や温もりを描きたいということです」と説明。ヒロインは現在オーディション中で、7月中旬には決定する見通しという。宮藤さんの台本については、「ものすごくいい。とても面白くなるんじゃないかなと思っています。(NHKだからといって)宮藤さんの個性がなくなるのも面白くないが、今のところ、とてもいいあんばい。地方のよさが出ている」と自信を見せている。

 連続テレビ小説は現在、堀北真希さん主演の「梅ちゃん先生」が放送中で、秋からは11年の大ヒットドラマ「家政婦のミタ」(日本テレビ)を手がけた脚本家・遊川和彦さんのオリジナル作で夏菜さん主演の「純と愛」が決まっており、「あまちゃん」はその次に放送の予定。岩手県久慈市などでのロケを予定しており、10月中旬にクランクイン予定で、放送は13年4月1日から。全156回。(毎日新聞デジタル)

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