12年ドラマ視聴率ランキング：民放不調の中、米倉涼子健闘　新視聴率女王に

2012年12月26日 07:00

MANTANWEB編集部

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＝NHK提供

　10～12月放送の主な連続ドラマが最終回を迎え、12年のドラマ視聴率（関東地区）をランキングにまとめた。「家政婦のミタ」（日本テレビ系、最終回40．0％）と「JIN−仁−」（TBS系、最終回26．1％）が1、2位だった昨年に比べ、今年はNHKの朝ドラ2作品が1、2位を分け合い、民放は振るわなかった。その中でも米倉涼子さん主演の「Doctor−X 外科医・大門未知子」（テレビ朝日系）が最終回で24.4％を記録して3位に食い込む健闘をみせた。一方、例年上位に顔をみせる大河ドラマがトップ10から姿を消した。

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　同ランキングは、ビデオリサーチ社による12月26日までの関東地区の番組平均世帯視聴率をもとに作品別に最高の視聴率をランキング化した。

　1位は、ファッションデザイナーのコシノ3姉妹の母で、自身もデザイナーの草分けとして活躍した小篠綾子（こしの・あやこ）さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説「カーネーション」が1月28日放送の第97話で記録した25.0％だった。2位は、女優の堀北真希さんが主演するNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で、8月11日に放送された第114話の24.9％、3位は女優の米倉涼子さんが初の医師役で主演した連続ドラマ「Doctor−X 外科医・大門未知子」（テレビ朝日系）が最終話で記録した24.4％だった。

　1位の「カーネーション」は、初回から最終回までの期間平均視聴率では19．1％。10年前期の「ゲゲゲの女房」（18．6％）、11年前期の「おひさま」（18．8％）を上回り、07年前期の「どんど晴れ」（19．4％）以来5年ぶりに19％台に達した。大正2年、大阪・岸和田の呉服商の娘として生まれたヒロインの小原糸子（おはら・いとこ）が、父の反対を押し切って女学校を中退し、ミシンの修業を積んで、洋装店を開業。結婚し3人目の子供を身ごもるが、夫は出征先で戦死、女手一つで娘3人を育てることになる……という物語。ヒロイン糸子役は60歳ごろまでを尾野真千子さん、72歳以降を夏木マリさんが演じた。脚本は渡辺あやさん、主題歌は椎名林檎さんが手がけた。

　2位の「梅ちゃん先生」は、初回から最終回までの期間平均視聴率では20．7％で、「カーネーション」を上回り、03年前期の「こころ」（21．3％）以来9年ぶりの20％超えとなった。4月2日放送の初回18．5％の後、第3回で20％の大台に乗せ、同月中に21％、5月に22％、7月に23％をそれぞれ突破した。戦後復興と高度経済成長の昭和20年代、終戦直後の焼け野原となった東京・蒲田を舞台に、医師を父に持ち、自分に自信が持てないヒロイン下村梅子が一念発起して医師を目指し、やがて地域医療に身を投じていく姿を描いた。

　3位の「Doctor−X 外科医・大門未知子」は、今年放送された民放ドラマ最高の数字で有終の美を飾った。天才的な腕を持ちながら組織に属さず、フリーランスとして病院を渡り歩く、米倉さん演じるクールで型破りな外科医・大門未知子を通して医療現場を描いたドラマ。米倉さん主演の「ナサケの女～国税局査察官」（10年）や「ハケンの品格」などの脚本家・中園ミホさんがオリジナルストーリーを書き下ろした。

　米倉さんは今年、ミュージカル「シカゴ」で本場・ブロードウェーでの主演デビューを飾るなど女優としての活動の幅を広げており、「Doctor−X 」でもミニスカートにピンヒールという“破天荒”な白衣姿で「いたしません」「私、失敗しないんで」と強気発言を繰り返す痛快な主人公を演じ、広く支持を得た。今年最後のドラマ出演となった「熱い空気」では市原悦子さんが主演した人気ドラマ「家政婦は見た！」シリーズの原作を再ドラマ化し、米倉さんはオカッパ頭に大きな付けボクロ、さえないメガネという不気味で陰湿な家政婦役で新境地に挑み、18．6％の高視聴率を得て、新視聴率女王としての声価を高めている。（毎日新聞デジタル）