放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は12日午後9時から放送される「ドクターX ~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)。米倉涼子さん主演の人気医療ドラマの2年ぶりの連続ドラマ、第4シリーズだ。
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「ドクターX」は、天才的な腕を持ちながら組織に属さず、フリーランスとして病院を渡り歩く天才外科医・大門未知子(米倉さん)を通して医療現場を描いた人気ドラマ。今回は未知子が宿敵・蛭間(西田敏行さん)率いる国内最高峰の大学病院「東帝大学病院」を舞台に新たな戦いに挑む。「いたしません」「私、失敗しないので」といった名ぜりふや痛快な展開はもちろん健在だ。
蛭間は汚い策略を巡らせて新院長の座をかすめ取るなど相変わらずのヒールぶりで、7月に放送されたスペシャルに登場した内科医・黄川田高之(生瀬勝久さん)は内科部長となって再登場し、またまた「御意軍団」を形成して、分かりやすい腰巾着ぶりを発揮。さらに、連ドラから初登場する外科部長・西園寺孟司(吉田鋼太郎さん)、スーパードクター・北野亨(滝藤賢一さん)、広報官・南幾子(草刈民代さん)、新たな副院長・久保東子(泉ピン子さん)という、「東西南北」を一文字ずつ名前に持つ4人の“新たな敵”も実に良い味を出している。
西園寺は「三度の飯より女性好き」という吉田さんにぴったりのキャラクターで、黄川田とは別のタイプの腰巾着ぶりを発揮したり、未知子に「美人だ」と言ってみたりと、これからの展開が楽しみ。鳴り物入りで東帝大病院に呼ばれた北野や、東帝大ブランド立て直しのために招聘(しょうへい)された凄腕広報官の南も、なにやら裏がありそうだ。そして、“シリーズ最強の敵”となる久保東子も強烈だ。ニューヨークから幕を開ける冒頭シーンでは“おばちゃん感”を出しながら、副院長として登場すると、打って変わった別の顔を見せる。
新キャストについては米倉さんも話しているように「濃い」の一言。西田さんと泉さんの対決や、西田さん、吉田さん、生瀬さんがスリーショットで登場するシーンなど、未知子のいないシーンも目が離せない。また、これまでのシリーズでも“号泣県議”を思わせるシーンなどコミカルな演出も巧みにちりばめられていたが、今回は北野が推し進める手術のネーミングや西田さんらの“熱唱シーン”などには思わず笑わされてしまった。
もちろん手術シーンもリアルで緊迫感があった。今回の患者は、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「まれ」にも出演したロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカル・渡辺大知さん演じるIT社長は「脊索腫」のオペを受けるにあたって、とんでもない条件を出すのだが、今の時代なら「本当にあるかも」と思える設定で興味深い。そんなオペシーンでは、未知子の“目力の強さ”を再認識させられた。
15分拡大の初回スペシャルは、ニューヨークから幕を開け、続々と登場する新キャラクターたちの濃さに軽く当てられつつ、見応え十分の手術シーン、Superflyの新たな主題歌「99」で締めくくられるまで、あっという間の69分間。もちろん、マージャンや入浴シーン、晶さん(岸部一徳さん)のメロンといった“お約束”も忘れていない。今シリーズも「ドクターX」は「Never Fail!」となるか。早くも2話の放送が待ち遠しい。
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