女優の蒼井優さんが、阿部サダヲさんとともに主演を務めた映画「彼女がその名を知らない鳥たち」(白石和彌監督)が、28日公開された。作家の沼田まほかるさんの小説(幻冬舎)が原作で、登場人物が「共感度ゼロの最低な男と女」「不快度100%」という触れ込みの作品だ。今作で、自身も「最低の女」と評する十和子を演じた蒼井さんに、役柄への思いを聞いた。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
北原十和子(蒼井さん)は、15歳上の男・佐野陣治(阿部さん)と暮らしながらも、8年前に別れた男・黒崎俊一(竹野内豊さん)を忘れられずにいた。不潔で下品な陣治を嫌悪しながらも、彼の稼ぎに頼って怠惰な日々を過ごす十和子だったが、ある日、黒崎の面影を感じさせる妻子ある男・水島真(松坂桃李さん)と関係を持つ。そんな時、家に訪ねてきた刑事から「黒崎が行方不明」と知らされる。「十和子のためなら何でもできる」と言い続ける陣治が、執拗(しつよう)に自分をつけ回していることに気付いた十和子は、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑い、水島にも危険が及ぶのではないかとおびえ始める……というストーリー。
そんな十和子と向き合った撮影期間を、蒼井さんは「しんどかったですね、すごく。全然幸せじゃないですから」と振り返る。たしかに十和子は、嫌悪する陣治と生活をともにし、水島とは不倫、元恋人の黒崎は失踪と、その関係性は複雑だ。「やってもやっても満たされなくて、シーンを重ねていっても、誰も本音でしゃべっていない感じがして……。もちろん十和子としては信じて聞いてはいるけど、撮影が進むごとに空っぽになっていく感じがありましたね」と葛藤を語った。
撮影期間は、約3週間だったという。当時のことを「終われるようにという思いでした。でも、すごく濃密な時間でしたし、現場のスタッフさんがみんなすてきな人たちばっかりだったから、それには救われました。役者さんもみんなすてきな人たちばっかりなんだけど、話がとにかくひどいから(笑い)。現場はラストだけを信じて、みんな『そろそろ愛がほしい』と言い始めて、愛に飢えながら撮影をしていました」と振り返った。
そんな過酷な撮影を経て、完成した作品を見た時は「達成感はないです。また新しい課題が見つかった」と前置きしつつも、「この映画のラストシーンを、撮影の最後の2日間で撮ったんですけど、『映画に携われた人生で、私はよかったな』『自分の喜びはここにあるんだな』ということを再確認させられた」としみじみと語った。
<プロフィル>
あおい・ゆう 1985年8月17日生まれ、福岡県出身。99年、ミュージカル「アニー」のオーディションに合格し芸能界デビュー。2001年、岩井俊二監督の「リリィ・シュシュのすべて」で映画デビューし、以降、「害虫」(02年)、「亀は意外と速く泳ぐ」「ニライカナイからの手紙」(ともに05年)などに出演。06年の「フラガール」で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。他のおもな映画作品に「ハチミツとクローバー」(06年)、「百万円と苦虫女」(08年)、「雷桜」(10年)、「アズミ・ハルコは行方不明」(16年)などがある。「ミックス。」が21日から公開中。
11月20日に初フォト&エッセー「瞳のまにまに」(講談社)を発売したテレビ東京の田中瞳アナウンサー。「視聴者の皆さんはもちろん、制作側にも信頼されるアナウンサーになりたい」と語る…
テレビ東京系の人気バラエティー番組「モヤモヤさまぁ~ず2(モヤさま)」(土曜午前11時半)の4代目アシスタントや、経済ニュース番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」(月~木…
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のアニメ「呪術廻戦」のテレビアニメ第2期「懐玉・玉折」に登場する高専時代の五条悟らをデザインし…
タレントの黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」(講談社)が、「最も多く発行された単⼀著者による自叙伝」として12月14日、ギネス世界記録に認定された。1981年3月6日に刊…
松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)の第32回「小牧長久手の激闘」が、8月20日に放送される。家康(松本さん)は秀吉(ムロツヨシさん)側の1…