人気グループ「V6」の坂本昌行さんが15日にWOWOWで放送される「錦織圭 復活～世界の頂を目指して～」のナレーションを務めることが分かった。番組は、激動の2018年シーズンを戦い抜いた日本のエース錦織圭選手の活躍と素顔に迫るドキュメンタリー番組だ。　坂本さんは2017年12月に放送された「錦織圭・大坂なおみ　それぞれの世界挑戦2018 」に続いてナレーションは2年連続となる。坂本さんは「錦織選手の思いを視聴者に伝える大切な、大事な責任があると思っています」とナレーションについて語っている。テニスをよく観戦するという坂本さんが錦織選手を中心に、来シーズンへの期待、自らと照らし合わせてのエピソードまでを語った。

あなたにオススメ

来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹”　朝ドラヒロインまで手が届くか

　坂本さんは、テニスを見るようになったきっかけを「かなり昔ですが、もともと、遊び程度でテニスをやっていました。ある時、テレビでテニスを見ていたら、そのままずっと見てしまったというのが始まりです。（引かれた部分は）やるのと見るとの違いですね。時速200キロのサーブを受けて、さらにそれをリターンで狙うという、もうすごすぎて意味がわからない（笑い）」と話す。なかなか生でテニスを見る機会はなかったというが、昨年、伊達公子さんが引退した試合と楽天ジャパンオープンを見に行き、そのすごさに圧倒されたという。

　今回の番組で楽しみにしていることは、「試合での錦織選手しか知らないので、そこに至るまでや試合後の様子を見られるのが非常に楽しみ、というか興味があります」とコメント。番組のテーマは「復活」だが、それに関して坂本さんは、「復活を目指して戦っていたツアー下部大会の錦織選手を見ていて、観客もいないし、会場も狭いといった、大きい大会と異なる環境でプレーするメンタリティーの強さを感じた」と話し、「彼はまだ20代ですが、見習いたいところがいっぱいありますね。」と絶賛していた。

　けがを克服して世界ランキングトップ10に返り咲いたことについては、「僕らもV6のライブでアクロバットをやっていたので、けがはつきものでした。ただ、けがをしても次の曲でアクロバットがあれば、やらなければいけない。テニスとライブという違いはありますが、けがを克服する力はものすごい精神力だと思います」と語った。

　今年、自信を表すかのように試合でガッツポーズを頻繁にしていた錦織選手。坂本さんは自信をどう表現するのかと聞くと、「僕は心配性で、事前に準備していないと落ち着かない。もしかすると、今まで自信を前面に出したことはないかもしれない」と話す。「ただ、準備は徹底的にやって、その準備を自信にしてあとは開き直って楽しむようにしています」という。

　「僕らは事前に準備をしっかりして、お客様に楽しんでいただくという世界ですが、テニスは事前にどんなに準備しても白黒がはっきりつくシビアな世界。試合中は常に自分をコントロールしなければいけない中で生まれたガッツポーズだと思います。自分をコントロールして、さらに相手をコントロールしないと勝つことができない世界なのでしょう」と分析した。

　今季の錦織選手は全米オープンの前に一度調子を落としたが、全米でベスト4に進出すると、それ以降の大会はすべてベスト8以上の好成績を残した。調子が上がった理由は「楽しむことを意識したら良くなった」と錦織選手はコメントしている。さらに「楽しもうと思い込んでいる」とも話している。それについて坂本さんは「僕も同じ思いを持っていて、ただ、楽しもうと入り口が変わるだけで、自分にプレッシャーをかけて入るより、リラックスできて、視野が広がると思う」と賛同していた。

　しかし、坂本さんも以前は楽しむことが全然できなかったという。「デビューし立てのころ、ライブの構成を1人で頑張って作っていた時期、自分の中に演出家の部分があって、メンバーの動きや次の曲のことなど、いろいろと事前に準備してきたことを考えてしまい、全然楽しめていなかった」と明かしたが、その考えが変わったのは、一通のファンレターだったという。

　そこには「坂本君はライブであまり手を振ってくれない」と書かれていた。「はっと気づかされました。お客様は楽しみに、僕らを見に来てくれているのに、その自分が楽しそうに振る舞っていなかったら最悪だなと」と感じたという。それからは「ここまで準備してきたのだから、あとは楽しもうと思って入ることで、自然と手が振れて、笑顔を見せられるようになって、よりライブを楽しめるようになった」という。「錦織選手の『楽しもうと思い込んでいる』につながると思いますが、ちょっとしたきっかけで、プレーやパフォーマンスはものすごく変わってくると思います」と自身の経験を基に語る。

　来シーズンの錦織選手に期待することは、「すごく楽しみ。ただトップ10に入ったことで注目度や期待度が大きくなったことは、錦織選手本人が痛いほど分かっていると思いますし、これからはベテランの域に入っていくと思うので、次の日本人選手にとって大きな道標、日本人選手でもあそこまで行けるんだという勇気を与える存在になってほしいですね」とメッセージを送った。

　錦織選手に対して、熱い思いを語った坂本さんがナレーションを務める「錦織圭 復活～世界の頂を目指して～」は、15日午後6時からWOWOWプライムで放送される。