女優の安藤サクラさんが主演を務めるNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「まんぷく」の撮影で、朝ドラ史上、他に類を見ない大規模ロケが行われていたことが29日、明らかになった。最終回のクライマックスとなる歩行者天国での「まんぷくヌードル」路上販売のシーンで、神戸市の繁華街・元町にある旧居留地に1970年代の歩行者天国を再現した。
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ロケが行われた神戸市の繁華街・元町にある旧居留地は、大正時代から昭和初期にかけて建てられた近代洋風建築のビルと、百貨店や人気のセレクトショップ、世界的に有名な高級ブランドの路面店が集まる、港町・神戸を象徴するようなおしゃれスポットだ。
ドラマの企画段階から脚本家の福田靖さんによって提案されていたという歩行者天国シーン。堀之内礼二郎プロデューサーによると、シーンを実現するために必要とする規模や撮影に適したロケ地、道路の使用許可が認められるかなど、さまざまなことを考えつつ、スタッフに相談すると、最初は「いや、できるわけないでしょ!」という反応が返ってきたという。
その後「まんぷく」放送が折り返しを迎えつつあった昨年末から、今回のロケの準備がスタート。制作スタッフによって候補となりそうなロケ地がいくつかリストアップされたが、堀之内プロデューサーは「神戸元町の目抜き通りを封鎖するのはムリだろう」と感じていて、「NHKからロケ地を管轄する警察に道路使用許可の申請をするだけでは、神戸でのロケは実現しないだろうと考えていました」と当時の心境を明かす。
そこで堀之内プロデューサーが、歩行者天国ロケについて相談したのが神戸市内で行われる映画やテレビドラマの撮影をコーディネートする「神戸フィルムオフィス」代表の松下麻理さんだった。
松下さんはロケの打診を受けると、年末には制作スタッフをともなったロケハンを実施。松下さんによると「これまで旧居留地では車道を封鎖してイベントを行ったことや、周辺のお店の営業が終了した夜間に大規模なロケが行われることはありました」とのことだが、実際は「それでも昼の時間帯に道路を封鎖してロケを行うことは初めてなので、私自身も“大丈夫だろうか?”と感じていました」と振り返る。
そんな不安を抱えながらも松下さんは隣接する店舗に相談を持ちかけたところ、店舗の方からは“ぜひロケをしてほしい!”“旧居留地の美しい街並みが映像に残るならぜひ!”と快い承諾の返事が返ってきたという。周辺の店舗の方々のバックアップ体制があったからこそ、今回のロケは実施にこぎつけた。
「まんぷく」は、99作目の朝ドラで、大阪放送局制作としては42作目。インスタントラーメンをこの世に生み出した実業家、安藤百福(ももふく)さんとその妻、仁子(まさこ)さんの半生がモデルのドラマ。25日から最終週「行きましょう!二人で」がスタートし、30日に最終回を迎える。
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