五輪競泳の金メダリスト北島康介さんが、宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に出演することが分かった。“フジヤマのトビウオ”と異名をとった国民的ヒーローの水泳選手・古橋廣之進(ふるはし・ひろのしん)役で、初のドラマ出演となる。第40回(10月20日放送)に登場する予定で、北島さんは「ドラマ出演のオファーが来るとは想像もしていなかったので驚きましたが、古橋先生の役ということだったので快くお受けしました」と話している。
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北島さん演じる古橋廣之進は、小学生のときから数々の記録を塗り替え、「豆魚雷」と呼ばれる。敗戦国の日本は1948年ロンドン五輪に参加できなかったが、田畑政治が同日程で開催した日本選手権に自由形で出場。ロンドン五輪の金メダリストの記録を上回る世界新記録を樹立し、一躍、極貧に苦しむ日本の国民的ヒーローとなった。古橋の泳ぎは国境を越えて勇気と感動を与え、米国の新聞は“フジヤマのトビウオ”と称賛した。
北島さんは「古橋先生は僕が初めて代表入りしたときの会長でいらして、選手の僕たちをサポートしていただきました。おそらく僕が古橋先生のことを直接知っている最後の世代で、古橋先生から厳しいお言葉だけでなく、水泳に対する思いやここに至るまでのお話を聞く機会が多くありました。僕より下の世代やこれからの水泳界・スポーツ界に、古橋先生がこういう人だったんだということを少しでも伝えられたらと思います」と思いを明かした。
主人公・田畑政治役の阿部サダヲさんは「(平泳ぎの選手だった)北島康介さんがクロールで泳ぐ姿は撮影で初めて拝見したのですが、速い、速い! お芝居もなんでもやってくださり、チーフ演出の無茶ぶりにも応えていらっしゃいましたよ」と笑顔で語る。一方、北島さんは「泳ぐシーンの撮影では、昔の泳ぎ方を少しまねしながら泳がせてもらいました。古橋先生が泳いでいる映像とは状況が違うのでそのあたりが少し難しかったですけれど、楽しく盛り上げていただいて良い時間を過ごすことができました。できあがりが楽しみです」と話している。
「いだてん」は、日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから、東京に五輪がやってきた1964年まで、およそ半世紀を描くオリジナルストーリー。テーマは「“東京”と“オリンピック”」で、大河ドラマで近現代史を取り上げるのは、1986年の「いのち」以来33年ぶり。NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。
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