今年も盛況のうちに幕を閉じた東京ゲームショウ。国内外で大ヒットを記録した「モンスターハンター:ワールド」(カプコン)から1年半以上経過し、ユーザー層が拡大するとともにPS4市場もいよいよ成熟した。次世代機の話もちらほら出るなか、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の「ワールドワイド・スタジオ」で、ソフト戦略・開発責任者であるプレジデントを務める吉田修平さんに、PS4やPSVRについて今後の展望などを聞いた。
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過去最高の出来だった。「スパイダーマン」は全世界1320万枚を売り上げ、国内でも大ヒット。高い評価もいただいた。以前の国内市場だったら海外で開発されたゲームは、伸び悩むことがあったが、世代が交代しているのか、今のユーザーは先入観なくどんな作品も遊んでくれる。新鮮な驚きがあったし、率直にうれしい。
業界としての取り組みが実を結びつつあるという印象。SIEも「グランツーリスモSPORT」でFIA(国際自動車連盟)との「FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ」が世界中で親しまれている。ファンはゲーム内容というよりはなぜか「人間にハマる」印象がある。トッププレーヤーたちは20代前半が多いが、すごく熱くてとても気持ちのいい若者たちだ。そんなプレーヤーを好きになっていくから、試合の駆け引きやドラマにハマっていくのだろう。これからは見る楽しさに注目して、見せ方を研究して「番組」として作っていく必要がある。見せ方や解説もきちんと行って、選手のファンを作っていくことが、eスポーツを「スポーツ」たらしめるのではないか。今後、映画「プレデター」の世界が舞台の非対称型対戦シューティングゲーム「Predator: Hunting Grounds(仮)」などを展開していく。
大ヒットではないかもしれないが、ユーザーは着実に増えてきている。VR業界全体を登山に例えると2合目といったところかもしれないが、業界全体が着々と進歩している。VR向けソフトの開発ノウハウがたまっており、以前は遊んだユーザーが酔ってしまうケースも多かったが、最近のソフトではほとんどなくなってきた。イチオシは現在開発中の「マーベルアイアンマンVR」。これまでだと3D酔いを懸念して、座って遊ぶタイプのものが多かったが、Moveモーションコントローラを使って、立って自分が向きを変えながら遊ぶのが特徴。箱庭のような世界で、空を自由に飛び回れるというのは驚きで、しかも酔いにくい。それが手からジェットを出して飛ぶアイアンマンというキャラクターとの親和性も高く、頭と手の動きがピッタリとマッチした奇跡のようなソフトになっている。
SIEとしては、小島秀夫監督の「デス・ストランディング」は超イチオシ。人と人とをつないでいくのがテーマで、同期、非同期の助け合いで進んでいく。これまでになかった新しいゲームだ。小島監督の作品はストーリーやキャラクターに注目されることが多いが、ゲーム性だけでも新しいし、やってみたいと思わせる。
年末商戦といえるか分からないが、「モンスターハンターワールド:アイスボーン」に始まり、個人的にも期待している「ボーダーランズ3」も発売された。海外では8月に発売され、国内でも年末に発売される「CONTROL(コントロール)」にも注目したい。日本のユーザー向けには「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」「新サクラ大戦」「龍が如く7」「仁王2」が待っている。
来年3月にはついに「ファイナルファンタジーVII リメイク」も発売される。SIEとしても「ゴーストオブツシマ」「ラストオブアス2」も控えている。
PS3のときの「グランド・セフト・オートV」をはじめ、今までのプラットフォームでもそうだったように、終盤になると素晴らしい作品が次々と出てくる。今回もPS4の開発環境が成熟して、まさにクライマックスを迎えることになるだろう。
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