ドラマ主題歌:2019年秋ドラマは…朝ドラ主題歌にSuperfly 連ドラは山下達郎、サザンら大御所も

NHK連続テレビ小説「スカーレット」の主題歌を担当したSuperfly
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NHK連続テレビ小説「スカーレット」の主題歌を担当したSuperfly

 2019年10月にスタートしたドラマの主題歌を紹介。戸田恵梨香さんが主演を務める2019年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」の主題歌となったボーカリストの越智志帆さんのソロユニット「Superfly」が制作した新曲「フレア」をはじめ、10月期の連続ドラマ(秋ドラマ)では、木村拓哉さん主演の「グランメゾン東京」(TBS系)の主題歌に山下達郎さんの新曲「RECIPE(レシピ)」、賀来賢人さん主演の「ニッポンノワール -刑事Yの反乱-」(日本テレビ系)の主題歌に人気バンド「サザンオールスターズ」の最新曲「愛はスローにちょっとずつ」が採用され、レジェンド級のアーティストによる楽曲がそろった。その他、注目のドラマ主題歌をピックアップした。

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 ◇朝ドラはSuperfly、連ドラは山下達郎、サザンと実力派がラインアップ

 朝ドラ「スカーレット」(NHK総合で月~土曜午前8時ほか)の主題歌としてSuperflyが書き下ろした新曲「フレア」(配信中、2020年1月15日発売のアルバム「0」に収録)は、切なくも伸びやかなメロディーと、温もり感のあるサウンドが印象的なミディアムソング。タイトルには、炎(flare)と自己表現・才能(flair)の二つの意味が含まれ、戸田恵梨香さんが演じている陶芸家となる主人公・川原喜美子が炎と向き合い、自己表現である作品を作り上げていくストーリーにもリンクしている。「炎(火)」は、曲の中でも“情熱”や“前向きな気持ち”の象徴として使われているワードだ。クレイアニメーションで描かれるドラマのオープニングのタイトルバックは、喜美子の人生や喜怒哀楽を思わせる歌詞と連動して、クレイ(粘土)が“炎”や“太陽”を形作り、変化する映像も見どころとなっている。

 木村拓哉さんが主演するTBS系日曜劇場「グランメゾン東京」(日曜午後9時)の主題歌は、山下達郎さんがドラマのために作詞・作曲した書き下ろし楽曲「RECIPE(レシピ)」(11月27日シングル発売)。フランス料理店を舞台にした物語にちなみ、フランス料理のメニューやレシピ(調理法)の用語を歌詞にちりばめつつ、芳醇で味わい深い愛を表現したラブソングに仕上がっている。フランス料理シェフという主人公・尾花夏樹(木村さん)が、仲間と共に世界最高の三つ星レストランを目指し奮闘する本編においては、困難の先にある一筋の希望の光のような存在感を放つ曲だ。尾花たちが苦境を乗り越えていく場面の中で、それまでの張り詰めた空気を解きほぐすような、優しいひとときをもたらしてくれるナンバーになっている。

 賀来賢人さん主演の「ニッポンノワール -刑事Yの反乱-」(日本テレビ系、日曜午後10時半)の主題歌は、サザンオールスターズの新曲「愛はスローにちょっとずつ」(配信中、デビュー40周年記念本「SOUTHERN ALL STARS YEARBOOK『40』」にCD封入)。過ぎ去った愛に思いをはせる、ほろ苦いラブバラード。ドラマは、主人公を含む刑事全員が事件の容疑者で、数々の疑惑や裏切りに息つく暇のない展開を見せるが、そのエンディングで流れ、すべてを包み込むかのような穏やかさを醸し出す曲。物語が進むにつれ、曲の世界観がドラマとどう絡んでいくのか……。そこには深い意味が隠されているようで、今後ますます目が離せない。

 ◇椎名林檎は「時効警察」、DEAN FUJIOKAは月9、sumikaは「おっさんずラブ」に書き下ろし

 オダギリジョーさんが主人公を演じる「時効警察はじめました」(テレビ朝日系、金曜午後11時15分)の主題歌は、シンガー・ソングライターの椎名林檎さんがドラマ用に書き下ろした新曲「公然の秘密」(最新ベスト盤「ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~」に収録)だ。管弦楽器など豪華な編成によるアレンジで、秘密という“魅惑的であやしげな香り”を体現し、公にされることのない時効事件を追うドラマを盛り上げている。

 ディーン・フジオカさん主演のフジテレビ系”月9”ドラマ「シャーロック」では、ディーン・フジオカさんがミュージシャン・DEAN FUJIOKAとして主題歌「Shelly」を制作(同じくDEAN FUJIOKAさんが手がけるドラマのオープニングテーマ「Searching For The Ghost」と共に12月11日発売のミニアルバム「Shelly」に収録)。本編のエンディングを飾るメローなラブソングで、ミステリアスなドラマのストーリーに花を添えている。

 また、田中圭さん主演の「おっさんずラブ -in the sky-」(テレビ朝日系、土曜午後11時15分)の主題歌は、4人組バンド「sumika」による書き下ろし曲「願い」(12月11日シングル発売)、高岡早紀さん主演の「リカ」(東海テレビ・フジテレビ系、土曜午後11時40分)の主題歌は、歌手の倖田來未さんが歌うスリリングなダンスチューン「STRIP」(最新アルバム「re(CORD)」に収録)になっている。

 ◇「ドクターX」のP!NKほか、持田香織、森山直太朗…既発曲やリメークも

 米倉涼子さん主演の「ドクターX~外科医・大門未知子~」第6シリーズ(テレビ朝日系、木曜午後9時)は、米歌手P!NKさんの2008年発売のヒットシングル「ソー・ホワット」(最新ベスト盤「グレイテスト・ヒッツ… ソー・ファー 2019!!!」に収録)を主題歌に採用。「So what(それがなんだっていうのよ)!」とシャウトする強気な女性像が、束縛を嫌い、颯爽と我が道を行く主人公・大門未知子とシンクロしており痛快だ。

 阿部寛さん主演の「まだ結婚できない男」(カンテレ・フジテレビ系、火曜午後9時)の主題歌は、持田香織さんの新曲「まだスイミー」(配信中)。2006年に放送された前作「結婚できない男」の主題歌だった持田さんと伊藤一朗さんのユニット「Every Little Thing(ELT)」の「スイミー」を、ボーカルの持田さんがソロとしてセルフカバーした。前作から13年を経たことに伴い、歌詞の一部を変え、今の主人公の日々や季節感を表現している。

 高畑充希さん主演の「同期のサクラ」(日本テレビ系、水曜午後10時)の主題歌「さくら(二〇一九)」(配信中)は、シンガー・ソングライターの森山直太朗さんが2002年に発表し、翌年「さくら(独唱)」としてヒットした楽曲を新たにコーディングした。壮麗なアレンジが施されたサウンド、友との別離や再会への思いをつむぐ情感あふれる歌声は、ドラマの世界観に寄り添い、主人公サクラと同期たちの10年間の物語に深みや奥行きを与えている。

 レジェンド級アーティストの新曲や話題曲、セルフカバーなどさまざまな主題歌が秋ドラマを彩っている。ドラマの次の展開と共に主題歌にも注目だ。(水白京/フリーライター)

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