モンスター
#10 信じた者たちへ
12月16日(月)放送分
当初の予定から2週間遅れて1月19日にスタートする2020年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」。主人公は「本能寺の変」を起こし、主君・織田信長を自害させた人物としてあまりにも有名な安土桃山時代の武将・明智光秀で、今回は長谷川博己さんが演じる。1月1日に公式ホームページとツイッターで公開された「新年のごあいさつ」で長谷川さんは「新しい明智光秀をお見せしたいと思っております」と意気込んでいたが、ドラマが待ちきれない大河ファン、戦国ファンも多いことだろう。ここでは、過去の大河ドラマでは誰が明智光秀を演じ、長谷川さんは何代目になるのか、紹介する。
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「麒麟がくる」は59作目の大河ドラマで、安土桃山時代の武将・明智光秀が主人公。1991年放送の「太平記」を手がけた池端俊策さんによるオリジナルで、大河ドラマの原点に戻り、戦国初期の群雄割拠の戦乱の中、各地の英傑たちが天下を狙って、命を懸け、愛を懸けて戦う、戦国のビギニングにして「一大叙事詩」となる。
私怨により本能寺で織田信長を討った謀反人のイメージを覆す、勇猛果敢かつ理知的な天才・明智光秀を、史料がほとんど残っていない20代の青春時代から描写。また、革新的な「魔王」のイメージが強い光秀の主君・信長についても、最近の研究で見直されている保守的かつ中世的な側面も強調し、父の信秀から実直に受け継いだ財政面、経営面での才覚も描く。
さらに親子2代で美濃を乗っ取ったという説に基づく斎藤道三、反織田勢力を自由自在に操り、室町幕府の再興を果たそうとする権謀術数に長(た)けた第十五代将軍足利義昭や、若く野心にあふれる細川藤孝、松永久秀、今川義元など、一癖も二癖もある群雄たちが、戦国時代を舞台に、縦横無尽に活躍する内容になるという。
1963年に始まった大河ドラマで、“戦国もの”とされるのは「麒麟がくる」を含めて20作あるが、最初の「戦国大河」とされるのが1965年の「太閤記」だ。このときは佐藤慶さんが明智光秀を演じた。次に明智光秀が大河ドラマに登場したのは1973年の「国盗り物語」。同作で近藤正臣さんが光秀役を務めると、その後は1978年の「黄金の日日」では内藤武敏さん、1981年の「おんな太閤記」では石濱朗さん、1983年の「徳川家康」では寺田農さんが“光秀俳優”として大河ドラマの歴史に名を刻んでいる。
面白い(?)ところでは1989年の「春日局」(同作は“戦国もの”に含まれていない)と、1992年の「信長 KING OF ZIPANGU」。前者では五木ひろしさん、後者ではマイケル富岡さんが光秀を演じている。
さらに大河ドラマの“光秀俳優”リストには村上弘明さん(1996年「秀吉」)、萩原健一さん(2002年「利家とまつ」)、坂東三津五郎さん(2006年「功名が辻」)、鶴見辰吾さん(2009年「天地人」)、市村正親さん(2011年「江~姫たちの戦国~」)といった名優の名が並ぶが、一方で2014年の「軍師官兵衛」には春風亭小朝さん、2016年の「真田丸」には岩下尚史さんが光秀役で出演し、顔ぶれは実にバラエティー豊かだ。
ちなみに「麒麟がくる」の一つ前の「戦国大河」は2017年の「おんな城主 直虎」。光石研さんが物語の終盤に光秀役で登場したが、これが大河ドラマ15代目の光秀となる。
果たして、長谷川さんは16代目の光秀としてどんな演技を披露してくれるのか。まずは1月19日に75分の拡大版で放送される初回に期待したい。
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