女優ののんさん主演の映画「星屑の町」(杉山泰一監督)が3月6日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほかで公開される。1994年の初上演以来25年間愛されてきた舞台「星屑の町」シリーズを映画化した作品。のんさんが行動力にあふれた夢見る田舎娘のヒロインを好演。「新宿の女」をはじめ数々の昭和歌謡を歌い上げる姿も見どころだ。
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大手レコード会社社員だった山田修(小宮孝泰さん)ら売れないムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」は、ベテラン歌手のキティ岩城(戸田恵子さん)と地方を回りながら細々と活動を続けていた。そんなある日、ハローナイツのメンバーは東北の田舎町で歌手になることを夢見ている久間部愛(のんさん)と出会う。愛はハローナイツに入りたいと直訴し、大騒動の末に加入。あっという間に人気に火が付き、スポットライトを浴びるまでになるが……。
ハローナイツのメンバーとしてラサール石井さん、渡辺哲さん、有薗芳記さん、でんでんさん、大平サブローさん、愛の祖父・六造役で柄本明さんも出演する。
かつて岩手・北三陸の田舎町が舞台のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でヒロインを好演したのんさんが、東北の田舎町で歌手を夢見る活発なヒロインを演じている。なまりが強く、どこかあか抜けないが、純粋で行動力は人一倍ある愛を生き生きと演じ、そのハマりっぷりにうならされる。
のんさんが藤圭子さんの「新宿の女」などの昭和歌謡の名曲を情感たっぷりに熱唱する歌声やギター演奏、レトロなワンピース姿などにも注目だ。
ハローナイツのメンバーを演じるベテランキャストの軽妙な掛け合いにクスリとさせられ、本音をむき出しにした衝突に人生の悲哀を感じ……と笑いあり涙ありのストーリーは、派手さはないが温かく、鑑賞後はどこかすがすがしい気持ちにもなった。(河鰭悠太郎/フリーライター)
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