妻夫木聡:実写「危険なビーナス」は「ドラマならではの物語性」 吉高由里子は原作もの「毎回、怖い」

連続ドラマ「危険なビーナス」に出演している妻夫木聡さん(左)と吉高由里子さん
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連続ドラマ「危険なビーナス」に出演している妻夫木聡さん(左)と吉高由里子さん

 10月11日に放送された初回の平均視聴率(世帯)が14.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、好スタートを切った俳優の妻夫木聡さん主演の連続ドラマ「危険なビーナス」(TBS系、日曜午後9時)。東野圭吾さんの同名小説(講談社文庫)が原作で、主人公の手島伯朗が、異父弟の失踪事件をきっかけに、異父弟の「妻」を名乗る謎の美女・矢神楓と共に、名家の遺産をめぐる壮大な謎解きに挑んでいく“危険なラブサスペンス”だ。「ドラマならではの物語性がある」と語る伯朗役の妻夫木さんと、楓役の吉高由里子さんに、初共演の感想と見どころについて聞いた。

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 ◇原作がある作品は「毎回、怖い」

 東野さんといえば、「容疑者Xの献身」といった「ガリレオ」シリーズ、「新参者」シリーズなど、多数の作品が実写化されてきた。そんな“東野ミステリー”では「引き込まれる世界観」「緻密なトリック」、そして「魅力的な登場人物たち」が醍醐味(だいごみ)だが、本作はそれらに加え「ラストの大逆転」が見どころとなっている。

 吉高さんは、原作の実写作品に出演することについて聞かれると「毎回、怖いです。原作ファンもいらっしゃいますし、(原作を)読みながら人物像をイメージしていると思います。その出来上がったイメージに自分で許されるのかという不安はあります」と、心境を明かした。

 妻夫木さんは、同じ質問に、「僕はあまり原作に引っ張られすぎないように、ドラマの中で『危険なビーナス』を作り出そうとしています。(原作との)答え合わせにならないよう、自分自身がやっていることを疑いながら、演じることを意識しています。原作とは違うドラマならではのミステリーを見せられるように頑張っていきたい」と意気込みを交えて答えた。

 ◇「ドラマならではの物語性」 登場人物に「普通の人いない」

 今回の脚本は連続ドラマ「グランメゾン東京」、映画「キングダム」などの黒岩勉さんが担当している。妻夫木さんに伯朗を演じる上で楽しみにしているところを聞くと、「ドラマならではの物語性があります」と語り、脚本については「原作を知っている方でも、次を見たくなるドラマを目指していて、黒岩さんの脚本は最後の最後まで謎を増やしてるので、どれだけ謎を増やせるのか、とても楽しみにしています。伏線を含んだ脚本になっているので、伏線回収が見事。点と点が線になっていきます」と答えた。

 魅力的な脚本とともにドラマの柱石となるのが登場人物だろう。伯朗と楓を取り巻く登場人物も、矢神家の人々を中心に個性派ばかりだ。矢神家の先代当主・康之介(栗田芳宏さん)の養子で、昔から伯朗を見下している勇磨(ディーン・フジオカさん)をはじめ、同じく養子の佐代(麻生祐未さん)、康之介の実の娘で、危篤状態にある現当主・康治(栗原英雄さん)の妹・波恵(戸田恵子さん)といずれも強烈なキャラクターばかり。

 さらに波恵の異母妹にあたる支倉祥子(安蘭けいさん)、祥子の夫・支倉隆司(田口浩正さん)、祥子の弟の矢神牧雄(池内万作さん)、隆司と祥子の娘・百合華(堀田真由さん)、矢神家の謎めいた使用人・君津光(結木滉星さん)、康治の専属看護師・永峰杏梨(福田麻貴さん=3時のヒロイン)と、俳優陣を見るだけでも、実に個性的で魅力的な面々がそろっている。そんな“くせ者”たちが、失踪した伯朗の異父弟・矢神明人(染谷将太さん)が相続するとされる総額30億円もの遺産を巡り、骨肉の争いを繰り広げるのだ。

 さらには伯朗の叔父で数学者の兼岩憲三(小日向文世さん)、禎子の妹で憲三の妻・順子(坂井真紀さん)も登場。SNSでは、失踪事件の犯人に関して「一番、怪しいのは楓!」「勇磨が犯人っぽい」「波恵がボス?」「憲三と順子も絡んでいるのか…」「全員犯人に見える!」など、早くも犯人予想や考察の声が上がっている。

 妻夫木さんも、そんな登場人物について「普通の人がいないんです。『この人は普通でしょ』って思った方もいると思いますが、普通じゃないんです(笑い)。毎話、解き明かされていくので『こんなやつだったんだ……』っていうところを楽しんでほしいと思います」と、今後の見どころを語った。

 ◇吉高の演技は「変幻自在」 “受け芝居”に徹している

 第1話のラストでは、明人の所在を探すため、伯朗と楓が「最強タッグ」を組んだわけだが、妻夫木さんと吉高さんは今作が初共演だ。吉高さんは、妻夫木さんの印象について「明るい人かと思っていましたが、常に頭でいろいろなことを考えていている方。でもすぐ引きずるし反省する、すごくナイーブな方で、全然違いました」と語る。妻夫木さんは、吉高さんについて「勘が鋭く、クレバーな人。人に気を遣わせず、自分を犠牲にしていろいろとやろうとしてくれています。(共演する前は)くみ取れなかったので、新たな発見でした」とお互いの印象を語る。

 演技では、吉高さんが「どんな演技でも、拾い上げてくれる頼もしさがあります。初共演とは思えないぐらい気持ち良い感覚でいさせてくれる」と、妻夫木さんに絶大な信頼を置いていると語ると、妻夫木さんも、吉高さんの演技について「変幻自在」としながら、「自由に演じてほしいと思っていました。どんなことでも受け止められるようにいようと考えています。昔から(相手の演技を受ける)“受け芝居”が好きだったので、今回は“受け芝居”に徹しようとかなと思っています」と、演技プランを明かした。
 
 吉高さんは、第2話以降の伯朗と楓の見どころについて「コミュニケーションがもっとラフになっていきます。クスっと笑ってもらえるような掛け合いが増えていきます」と語り、満面の笑みを見せていた。

 妻夫木さんが語った「ドラマならではの物語性」とは……。伯朗と楓の最強タッグが、明人失踪事件の真相にどう近付いていくのか、今後も見逃せない。第2話は10月18日午後9時から放送される。

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