SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第1話 再出発!集う麦わらの一味!
11月3日(日)放送分
特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」の新作映画「劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME」(杉原輝昭監督)が公開中だ。刃唯阿/仮面ライダーバルキリー役の井桁弘恵さんと天津垓/仮面ライダーサウザー役の桜木那智さんという「ZAIAエンタープライズ」の2人に、お互いの印象や共演シーンのこだわりや、“辞表パンチ”として話題を集めたテレビシリーズ第33話の裏側などを語ってもらった。
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「ZAIAコンビ」を語る上で欠かせないのが、テレビシリーズ第33話「夢がソンナに大事なのか?」で唯阿が垓に放ったパンチ。放送当時には“辞表パンチ”のネーミングで盛り上がったが、井桁さん自身も「いろんな意味で印象に残っているのはZAIAを辞める時の垓とのシーン」という。
井桁さんは「あれがあったから唯阿は報われたし、次に進めるなと思ったので、あの1話はまるまる全部印象に残っています」と役としての心情に寄り添えたと話し、「その撮影後に(新型コロナウイルスで)撮影ができなくなったので、タイミング的にも撮りきれて良かったと後々すごく思いました。できないままだったら気持ち的にも持たなかったかも」と当時の心境を明かす。
同話を「伝説の回」と評した桜木さんは、「最初に読み合わせと、どうパンチするかといった簡単なアクションの打ち合わせはやりました」と井桁さんと相談したといい、井桁さんも「段取り的な打ち合わせはしたけど。じっくり話し合うというよりかはお互いが溜めたものを出すという雰囲気でしたね。その時は“嫌い”だったので……」と説明。
井桁さんがあわてて「もちろん那智君が嫌いなわけではなく、役として憎いところがあったから。そこはちょっと距離をとってというのはありましたね」と言い直すと、聞いていた桜木さんは「ちょっとびっくりしちゃった(笑い)」と安心していた。
同シーンの撮影について、井桁さんは「もっとシリアスなシーンになると思っていたのにコミカルというか、那智君が想像以上に吹っ切ってやっていて顔芸がすごく、気づいたらコメディーみたいになっていた。それで『持っていかれた!』と思い、その日はすごくモヤモヤした気持ちで帰りました」とちゃめっ気たっぷりに振り返る。
桜木さんも「僕もシリアスだと思っていたけど、(監督の)田崎(竜太)さんから『めっちゃやられろ』『「太陽にほえろ」のように夕日に向かって撮りたい』などと言われて、夕日の中で殴られるというのは面白いなと。それで思いっきりやっただけで『持っていって』ないよ」と弁解するように話して笑いを誘う。
辞表パンチというネーミングは「周りから来た言葉ですね」という井桁さん。すると桜木さんが「僕も『1000%おじさん』『白い人』『かませ犬』とかありましたが、そういうのも含めて『ゼロワン』の面白いところ。それで盛り上がった部分もあった」とファンの反応を喜ぶと、井桁さんも「どこがファンの方の目に留まるか、予想と違うことも多くて楽しかった」と笑顔でうなずいた。
共演シーンでのこだわりを質問すると、桜木さんが「最初の方は『ここどうする?』みたいなのは話しました。特に『お仕事五番勝負』あたりは結構話したのですがかみ合わなかった(笑い)」と冗談交じりに話すと、井桁さんは「その頃は唯阿がZAIA側だけど味方ではないという絶妙な立場。お互いの役の立ち位置に関する話し合いが多かった気がします」とフォロー。続けて「後半に入るにつれて何も言わずにパッとできる感じはありました。ただ絡みが少なくなったのはちょっとさみしかった」と互いに信頼感が増していったことを明かす。
改めて『ゼロワン』に関わった1年間を振り返ってもらうと、桜木さんは「寂しいというのが一番ですけど、感謝しかないですね」と切り出し、「今までやってきたメンバーでやれないというのは少し寂しい気持ちもありつつ、これからみんな(俳優として)どんどん成長してまた一緒に仕事したい」と新たな目標を口にする。
桜木さんは「『ゼロワン』(の放送)が終わっても映画があり、本当に終わるのかなと思っていたけど、いよいよ最後の映画の取材をするようになって『終わるんだな』という実感が湧いてきました」といい、「まさか途中で撮影ができなくなると思わなかったし、状況や環境が変わってしまった中で、無事に全員そろって作品を終えることができてホッとしています。その気持ちが今は強い」と神妙な表情で語る。
放送後の“大きすぎる反響”として、桜木さんは井桁さんと共にロケ先で親子連れに声をかけられた際、「娘さんが『唯阿~!』ってハイタッチしてきたので、俺も構えていたら『いい……』って」と“振られ”エピソードを苦笑いで披露。さらに「お父さんが『本人はいい人だよ』と助け船を出してくれたのですが、それでもしてくれず『めっちゃ嫌われている』と思ってあきらめました」と話し、「だから或人(高橋文哉さん)がするような笑顔にちょっと憧れはありましたね」とちゃめっ気たっぷりな笑顔を浮かべる。
集大成的な作品である劇場版が公開中だが、1年あまりにおよぶ共演を通じて互いに「芝居感が変わった」という2人。桜木さんは「最初はめちゃくちゃクールビューティーな人が来たと思って、無口なタイプと思っていたらかなりしゃべる人だった(笑い)」と、井桁さんの第一印象からのギャップを口にし、「その井桁さんの良さが役にどんどん混ざっていって、カッコいい女性の仮面ライダーだと思って見ていました」と役との化学反応をたたえる。
一方、井桁さんも桜木さんを「もちろんみんなそうですが、那智君は人一倍準備を大事にする人で、せりふも何日もかけたり自分の中で動きもすごく考えたりしてくるタイプ」と印象を語り、撮影が進行していく中で「私が言えるようなことでもないですけど、垓を作ろうとしなくても染みついているから、その場でいろんなパターンを試してくるようになり、那智君のアイデアやアレンジに驚かされました」と明かし、劇場版でのそれぞれの演技に期待感を持たせる。
最後に今後演じてみたい作品を聞くと、「家族ものが好き」という井桁さんは、「家族って多くの人に共通し感じる部分が多いものだし、自分自身もそういう映画を見ることが好き。家族の温かい話や温もりが感じられるような作品に出て、反抗期の女の子、心に何か抱えているような末っ子のような役をやってみたい」と思いをはせる。
桜木さんは「一人の人生をまるまる生きてみたい」と切り出し、「例えば(NHKの)朝ドラのように高校生ぐらいから死ぬ間際ぐらいまでのような役で、その人にしか出せない味というか人生の深い部分を見せられる芝居をしたい」と語っていた。 (取材・文:遠藤政樹)
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